その通りなんだよなぁ…

北野武監督。いや、ビートたけしさんと言ったほうがいいのでしょうか。
「赤信号、みんなで渡ればこわくない」
「コマネチ!」
の時代から、私たちのお笑いの一時代を築いた方だということに異論のある方はいないのでしょうが、この方が時々ズバッと「真理」を口にする、私はそれが好きです。その通りだよ…と頷くことがかつて何度もありました。

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http://iinee-news.com/post-1760/

努力すれば、きっとなんとかなるって
そんなわけないだろう。
一所懸命やればなんとかなるほど
世の中甘くないってことは
親とか周囲の大人が
一番知ってんじゃねえか。
必死にやってもうまくいくとは限らなくて
どうにもならないこともある
それが普通で当たり前だってことの方を
教えるのが教育だろう。

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私はよく
「人は人、ウチはウチ」
と母に言われて来ました。
「みんなって誰と誰だ、言ってみろ」
ともね(笑)

子どもの言ってることなんて、大人である我々が見抜けなきゃいけないし、子供にやり込められてどうするよ?って思う場面も多々有ります。大人が自分で体験してきた「真実」というものは、アタマで勝手に想像している子どもが絶対に勝てない相手であることは間違い無いのです。 

「やればできる子」
というのは昔から言われること。その典型は私でした。小学校の頃から「きみはやればできるんだけどねぇ…」と言われ続けてきた似非優等生でした(笑)

だから、私は
「本気を出していないだけで、いつかやりたくなって頑張ればなんでもできるんだ。」
「やるかやらないかは、自分の自由だろ?」
と思っていました。

でも、実際、やりたい場面ややらねばならない場面に直面して、やっても全然できないことが山ほどあることに気がつきました。やればできるなんて、嘘だったんだなぁ…って。もちろん、やろうと思ってやり直せば出来ないことはないと思います。しかし、そこまでの下地やそこまでの積み重ねがなく、やりたいときだけやればいい… そんな虫のいい話は世の中に転がっていないのだと、何度となくそれは実感してきました。何度となく繰り返してしまうところもバカなんですが(笑)

世の中なんて不公平に決まっています。
裕福な家庭に生まれたか、貧しい家庭に生まれたか、そこでもいきなり人生の条件は変わるでしょう。
生まれ育った土地、出会った人間、進んだ環境、持って生まれた容姿や能力、性格、そんな諸条件で、みんなみんな「不公平」なんです。平等だなんて嘘なんですよね。

ただ、いわれなき権利の不平等があってはならないだけで、やっぱり美人はちやほやされるし、裕福な家庭はお金に不自由しないし、幼い頃から勉強している子は優秀である可能性は高いものです。

ただ、ある程度人間が平等なのは、後天的な理由でその運命というか不平等さを克服できるチャンスがいくつかあるということです。それは受験だったり、就職や仕事だったり、自分の人生を切り開けるチャンスにめぐり合うことがあるということです。そのチャンスをタイミングを逃さず手に入れた者だけが自分の人生を変えることができるのだと思います。

偉そうなことを言っていますが、私はそんなチャンスをぜーーんぶ逃してきた人(笑)
でも、「塾」という仕事は26年間コツコツと続けてくることが出来ました。だからすこーし安定して結果も出せているし、自信もあります。でも、ようやくですよ。

必死でやって爆死したこともあります(笑)
一生懸命やっても全然上手くいかないことも経験済み。
努力なんて、すること自体には何の意味もないことくらい嫌という程知っています。

世の中ってそういうもの。
だからこそ、逆に、真面目に努力を積み重ねていくことが重要なんであって、努力という蓄積を持っている人には、ポッと出の根無し草は歯が立たないのです。これまた永遠の真理。

努力したってダメなこともあるんですよ。だから止めるんじゃなくて、無駄なんじゃなくて、一層の努力をし、いろんなことができる人間になっていなければ、そのまま潰れてしまう可能性が高いということです。

よく、野球で食っていくから勉強はできなくていいという子がいます。
私の教え子で、将来を嘱望されていたにもかかわらず、肘を壊して選手生命が断たれた選手がいます。
彼は勉強ができたので、その後大学へ進み、普通に就職をして、今は立派に家庭を築いています。
あの時、野球しかできなくて勉強は一切出来ない子だったら…

人生は何がどうなるのかわかりません。その人生、棚ぼたを狙い、ある日突然スターになるようなオーディション人生を期待するような、ナメた生き方をしていると必ず足元をすくわれます。

だからこその「地道な努力」なのですが、この地道な努力をどうもちゃんと出来ない、なんか魔法の方法があるんじゃないか?と思ってしまう子がとても多い昨今。

まぁ、魔法を探しに旅に出てみるのもいいでしょう。
若いんだから、失敗もしてみればいい。
そういう子は、私は笑顔で送り出します。
たくさん失敗して、たくさん恥をかいて、人生を知る。それも一つの教育です。失敗しないように生きる人生など面白くもなんともないわけですから。

人生の理不尽を知る。
それもまた教育です。 

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