私はあまり後悔しないタイプですが、それでもやっぱり後悔していることはいくつかあります。この歳になると、だいぶ人生も先が見えてくるので、よりその後悔は強いものになります。

一番の後悔は、

「もっと働いておけばよかったな」

ということ。今の仕事ぶりを見ると、「一体いつ寝てるんですか？」と聞かれるほどだと思います。実際、本当に心配して、「先生、寝てくださいね」と真顔で言われることもあります（笑）　

大丈夫です。体質的に寝不足だとパフォーマンスが落ちるし、身体には正直に生きているので、眠い時は「だめだー！」と寝てしまいます。ただ、やりたいことがある時は突っ走っている感じです。また、人とは違う生活サイクルで生きているので、夜中に原稿を書いていたりすると心配されるのですね。それも随分と出来なくなりましたが。

で、若い頃はどうだったかというと、確かに何かに取り憑かれたように仕事をしていた時間もありますし、一生懸命だったことは間違いありませんが、今のように年がら年中仕事というわけでもありませんでした。やっぱり若さゆえ、遊びにも夢中でした。

休みはしっかり休みとして取り、遊びに出かけていました。これは仕事と比例するかのように、ヘタをすると無理やり遊んでいた気もします。遊ばないとダメだ！と思っていたようなところもあります。あの時間は、正直今考えると無駄だったなぁと思います。無理に遊ぶくらいだったら、逆にもっと仕事をすればよかったし、もっと本を読めばよかったし、もっと勉強すればよかったと、これは心から思います。

「塾の先生」として生きることには一生懸命でした。むしろ、そこに全力投球の30代でした。休みの日も生徒たちと遊びに出かけたり、イベントを組んで行事を行ったり、教室に泊まり込みで勉強大会をやったり、とにかく生徒たちと長い時間を過ごした30代でした。おかげで、いまだにその頃の教え子たちとは交流があります。

ですが、社会人として、いや、経営者としての勉強は足りていませんでした。そのあたりが、やっぱり今頃の「遅咲き」（そもそも咲いてんのか？が問題！笑）につながっているのだと思います。50代でようやく２教室目。事業家としては鼻で笑われるくらいの事業スピードです。規模だって「ちっちゃ！」と言われるくらいの大きさ。お金なんて全然ない（笑）　あの頃の時間が本当に悔やまれます。

正直、今じっくり勉強しなおそうとしても、もう時間がない。動き出しているものの中で勉強しながら対応していくしかありません。全てを止めて勉強できるなんて、大学生を見ていると本当に幸せだと思いますが、30代の頃もまだなんとかそのくらいの時間は取れたはずだったのですよね。正直、実務に関しては、いろいろな知識が圧倒的に足りません。

まぁ、社長なんですから、お金を払って専門家に任せればいいという考え方もありますが、やっぱりわからない、知らないというのは気持ちが悪いものです。勉強しておけばよかった、もっと仕事をしておけばよかった、がっつり働いておけばよかった… この後悔はありますね。

加えて、矛盾するようですが、もっと真剣に「遊んで」おけばよかったとも思っています。若くて時間があって行動力があったのですから、もっといろんなところへどんどん行っておけばよかったと思います。何でもっと動かなかったんだろう？と。

まぁ、その頃に通い詰めていたのがマレーシアなので、それは今でも生きているのですが、日本国内だって行きたい場所は山ほどありました。今、この歳になってまだ行けていない場所は山ほどあります。死ぬまでに行けるのかな？と思いますし、行かなきゃ！と思うと、仕事してる場合じゃなくなるのですが（笑）、これが若い頃に行動しなかったってことなんだなぁと今頃後悔しているわけです。

もっとギターを弾いておけばよかったとも思います。プロになることを諦め、この仕事で食っていくことに必死になった30代は、一番ギターを弾かなかった年代でもあります。20代はギターを抱えて寝ていることすらあったくらい。それがギターを遠ざけた30代。反動だったのかもしれませんね。でも、その空白の約10年が、取り返しのつかないほど演奏技術の低下を招きました。楽器ってそういうものですよね。

もっといろんな人と会い、いろんなものを食べ、いろんな景色を見て、いろんな公演やステージを観ておけば良かった。そんな後悔はたくさんあるのです。若い頃は「今」が永遠に続くと勘違いしていますからね。

私、今月56歳になります。気づけば31歳で塾長になった亀山青年は「アラ還」です（笑）
YouTubeのコメントで「亀山先生が引退の時期を仄めかしている」なんて言われて笑っていましたが、実はスタッフたちには引退時期を明言しています。塾の先生を辞めることはありませんし、会社の社長であることは変わりません。ただ、「塾長」という、塾の現場監督職は引退するよ、と、その時期をハッキリと明言しています。

なぜか？

まだ、次にやりたいことがあるからです（笑）
現場監督を誰かに任せて、私は次のミッションに取り組むためです。この仕事は、私の生涯での一番の後悔だったものをクリアするミッションかもしれません。

「塾」というカテゴリーでは救えなかった子、助けてあげられなかった子というのも、過去何人も、何十人もいました。「塾なんだから無理だよ」という、至極当然な解で納得せざるを得なかったのですが、そんな私に救いを求めてきた子どもたちはかつて何人もいましたし、実は今でもいます。そして、救えないでいます。いまだに。自分の無力さを痛感すると共に、本気で取り組まないとダメ、いい加減なことは出来ない、そんな思いも強くあります。私には、人生の最後に、この問題を解決しないといけないなという思いがあるのです。まぁ、何ですか、死んでも死に切れないみたいな（笑）

ですので、塾とはちょっと違うアプローチで子どもたちの教育に関わる仕事を作ろうと考えています。そのためには、塾を安定させて、スタッフに任せておける体制を整える必要があります。チームワークよく、みんなで桜学舎を守っていけるようにしておく必要があります。ですから、今は塾を私の中での「完成形」に持っていくために突っ走っていると言っても過言ではありません。まだまだ、私の理想とは程遠い状況にある桜学舎なのです。もっと良い塾になるはずなのです。中学受験だって、高校受験だって、大学受験だって、こんな世間の状況や勉強内容じゃダメなんです。子育てだって、ちゃんとした情報がないのが本当に残念です。目立つところやオイシイところばかりがメディアに出て、本当に困っている親御さんたちに、「実際はそういうもんじゃない！」という部分が伝わらない、これは不幸としか言いようがありません。それは私たちの力不足もあるんだと、常に自省しながら、塾での指導や情報発信に邁進する日々なのです。

子どもたちには、私のこの後悔は是非伝えたい。
徹底的に勉強しろ。徹底的に遊べ。いろんな場所へ行き、いろんな人に会い、いろんな景色を見て、いろんなものを観て、いろんな仕事をして、とにかく徹底して濃密な時間を過ごせと。無為にゲームに興じ、無為にYouTubeに時間を溶かし（YouTuberが何を言うか！笑）、無為に人生の時間をやり過ごすなと、本当に言いたいです。

数年後に還暦が見えてきて、心から思います。
人生は短かった。
昭和43年製の肉体は、家電なら何回も買い替えたでしょうし、車だったら骨董品です。人間は必ずポンコツになる。だからこそ、優秀なポンコツにならないと、歳をとってから使い物にならないことが多々あるのですね。わかりました、それは身をもって。

この国の国力はどんどん落ちてしまっています。経済力もガタガタ。人々は情報に踊らされ、くだらない報道ばかりが世間を賑わしています。これじゃダメだなと。いろんなことが考えられる、学ぶ力の強い子どもを育てていくことが大人の使命、この国の未来への使命のような気がして、最近はアホほど突っ走りに拍車がかかっています。

「先生、引退って、いつ？」
まだしばらくは頑張りますよ。
還暦は超えますからご安心を！当分は大丈夫！

【小さい塾なのでお急ぎください！　進学個別桜学舎／上野桜木教室＆入谷教室】