転塾のシーズン

転塾の季節です。ご相談をいろいろ受けます。

転塾してくる子って本当に様々で、かなり出来るのにレベルが高すぎる塾にいたから着いていけないと感じて辞めるケースもあります。この場合はウチで割とスムーズにリスタート出来ます。亡き野村監督バリの再生工場になるケースですね。

ところが、

「あー、お母さん、お子さん前の塾でこんなんだったの知らないで、塾が悪いって思ってたんだろうなぁ…」

って子も結構います。授業聞いてない(ウチでは観光客って言われます)し、キョロキョロしてたり、宿題も適当、ノートも取れない、そもそも指示が全然通らない…… つまり、言葉が通じないんです!

先生が来ても、授業が始まっても、机上には何も出てない、下手したら授業の半分以上はシャーペンの修理をしているなんていう子もいます。ここからのリスタートなんだから、成績とかいう問題じゃないわけですよ(笑) こういう子達も粘り強く、匙を投げないで最後まで受験に向かわせるのが私達。ですから、ご家族の協力なしには無理です。

また、「中学受験塾って、やっぱり3K塾が多いんだなぁ」という印象です。

「厳しい」「怖い」「暗い」

の3K。大手塾というより、特に個人塾や小規模塾の方がそういう印象が強く、塾長が「面倒な子は取らない」「できる子しか要らない」なんてアクが強い傾向も。ウチへ来てあまりに印象が違ってびっくりする子もいます。

しかし、子どもをビビらせて、ゴリゴリやらせて、上位の学校に入れさせるっていうのは、私はやっぱりどうかと思うんですよね。その子達って、その後「勉強が楽しい」って思えるのかな?って。そもそもスポ根が大嫌いだったので、私はそういうストロングスタイルが苦手です。そういうのが嫌で、楽しい塾・予備校生活を送りました。

結局、一般ピープルである我々は、自分の興味を持ったこと、必要なことに加えて、「何でも知り、何でも身につけたい」と純粋に思える学習意欲や学ぶ力を武器とするしかないわけで、そんな能力すら持たずに世間に出て行こうとすること自体が怖いのです。だから、勉強が恐怖になる体験はさせたくないと思うのです。

そもそも、知らないことって知りたいじゃないですか、純粋に。勉強がつまらないとか、興味が持てないとか、そういう子であること自体に問題があるわけです。だから、そうじゃなくするところから始めなきゃ、と思うわけです。中学受験で結果を出したいなら、低学年からそういう教育をして欲しいですね。

「見たい」「聞きたい」「知りたい」そういう欲求を満たしてきている子は、受験勉強が非常にスムーズなのです。サピの授業が楽しくて仕方ないわけですよ。対して、大人にぶっ叩かれながら予習シリーズをヒーヒー言ってやっている時点でかなり無理があります。「それ、長期的に見て大丈夫かな…?」って心配になります。

ご自身の受験体験がトラウマになっている保護者にもよく出会います。ご自身の苦しかった体験を肯定せざるを得なくて苦しんでいる保護者にも出会います。「それで良かったの?」「お子さんにそれをまたやらせるの?」と聞くと、涙を流す親御さんもよくいます。そりゃそれなりに苦しいでしょうけど…

苦しいことを楽しく楽しくやろうとすることも大事です。笑顔で大層な努力をやってのけることも大事なのです。そもそも勉強が「苦行」になるのは嫌だなぁ。明るく楽しく元気よく中学受験を乗り越えて欲しいと思っています。そして「真っ当な努力」を経験して欲しいのです。そういう方針の塾は、実はかなり希少だということを最近実感しています。

授業中必ず寝る子、4時間で一行問題4問しか解けない子、国語が全く出来ない子、のらりくらりで母がキレちゃう子、家で全然勉強しない子、勉強したくなくて逃走する子(笑)、何とかなるんだよって舐めた口きいて私に雷落とされた子… みんなよく受かったな(笑)みんな可愛かった(笑)

でもね、こういう子達も最後には成長して、合格を取ってくるんですから泣けるわけです。あの、あいつが、合格した! って飛び上がって歓喜して、泣くわけですよ。基本的にどこにも受からないで「残念でした」って子が出ないよう頑張っています。だって、中学生になったら全然変わる子というのも多いものですから。

そんな子の1人が、今大学生になり、講師になっています。オマエ、あん時なー…って話すと真っ赤になって「やめてやめて!」って恥ずかしがります(笑)でも、そんなのが先生として一番幸せな瞬間。教え子が立派になって、手元で今度は私を支えてくれる、そんな幸せないですね。

そして、先日は成人式を迎えた教え子を連れて我がホームグラウンドの居酒屋へ。この子と飲めるようになるなんて… ビックリ。でも、ずっとずっと私の手元にいるんですよね。ありがたいことです。もう少し老体鞭打って頑張るか!と思う瞬間です。

学歴レースは、正直サラリーマン社会ならそのままキャリアが通用する可能性もありますが、その枠から一度外れれば全然関係なく「実力主義」という面もあります。早慶国立出のサラリーマンが日大社長に年収で負けるケースなんてザラ。何が勝ち負けで、何が幸不幸だなんて、大人になると正解がなくなります。まあ、学閥がいまだに健在の世界だと全く異なるのでしょうが、一般ピープルの我々には全然関係ない話のようにも聞こえます。

春からは、これまた11年来の教え子が正社員になってくれます。社長は(笑)責任の大きさを改めて感じるとともに、ただただジーンとするばかり。

がんばろ。

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