全く畑違いのことを書きますのでスルー推奨(笑)

日本各地でローカル鉄道が廃止に追い込まれています。特に絶望的なのが北海道で、JR北海道は1ミリも黒字路線がありません。既に大半の鉄道路線が廃線になり、まもなく根室本線の富良野〜新得間が廃止になります。

おそらく、北海道の鉄道は札幌・旭川周辺のみになり、残りは全廃でしょう。他の地域も安泰ではなく、東北地方の山越え区間はかなり危険。千葉の先端部も危ないし、久留里線の末端区間はおそらくダメでしょう。(全国の亀山のうち、上総がなくなる!)中国山地もおそらく絶望的、九州も災害復旧できないところはアウトでしょうね。

決まって出てくるのは、

「地元が乗らないから廃線」
「バスで十分」

という意見。ただ、その代替バス自体が廃線になっている地域がかなりありますし、そもそも地域輸送だけならバスでいいけど、観光需要には全く耐えられないのは事実。そもそも北海道をバスで旅行するなら、正直行きたくありません。バスで4時間とか耐えられないですよ。

さらに聞かれるのは、鉄道がなくなったことでバスの利便性が上がったという話。直接目的地に行けるから便利という話ですが、それだと残念ながら観光客は街には来なくなり、観光で成り立つ街は結果的に衰退します。そりゃそうです。

観光客が駅に着く。

そこからバスやらタクシーやら歩きやらで人流ができる。要は人が動くわけです。しかし、バスや車で直接観光地に乗り付けてしまったら、周辺の店舗や街には人が来ません。せいぜい「道の駅」に寄る程度。目的地へ向けた「点」の観光になるので、「線」の観光にはなりません。目的地だけが賑わい、街自体はさびれる。そもそも交通体系の設計から間違ってるのです。行政も何もわかってない。人が動かないように動かないように設計してりゃ、そりゃさびれてダメになります。

観光業の人間の常識も本当に間違っているなぁと思うことが多々。

一番思うのは、電車が駅に着き、5分後に温泉行きのバスが出るというようなダイヤ設定をしているところ。こんなんじゃ、まずトイレすら行けない。

しかも、その駅に着いて、周囲を見渡す時間も無く、旅情を楽しむこともできず、名物を買ったり、食べたり、下手したら周辺散策すら出来ない。5分で温泉に「護送」されていっちゃうわけですから、観光目当ての店や飲食店も何も潤わない。これを客の利便性を高める施策だといまだに思い込んでいるから驚くわけです。そもそも観光に来ている客が、5分10分の待ち時間をギャーギャー言いますかね? 通勤客じゃないんだから。

以前それを痛感したのは長野原・草津口駅。駅に草津行きのバスと旅館の車がずらっと並んでて、特急列車から大量に吐き出されてくる観光客があっという間に分散乗車して、10分後には駅は閑散としていました。5両編成の特急だったら、ざっと250人程度のお客さんが来るわけですよ。そのお客さんにお金を使ってもらう仕掛けが何もない。観光客を呼んでも呼んでも街がさびれる一方なのは、仕掛けが何にもないからじゃないかな?といつも思っています。

そもそもローカル線も廃線ありきで街作りを考えたり、そもそも鉄道を全く無視して交通政策を考えたりしているから、いざ鉄道を大事にしないといけないと思った時には「時既に遅し」になっていることがほとんどでしょう。鉄道駅をハブにして公共施設なども集めて人が集まる場所にしていくことや、利便性を高めることが大事だったのに、とにかく鉄道に対する扱いが雑すぎたんですね、地方って。

さらに言えば、鉄道側のホスピタリティも最悪に近いわけで、特にJR東日本は何を考えているのか、ひたすらローカル線の乗客サービスを低下させています。固い椅子、ロングシート化、座席減。観光用を使った高速バスは基本的に着席、前向きで柔らかいシート。居住性が違いすぎます。乗り降りの時間短縮とか混雑対策ということなんでしょうが、田舎にまで行ってロングシート車両でしかも立ち席なんて、もう二度と行かない… バスで座って行こう… まぁそうなりますよね。

でも、バスは雨の日も雪の日も台風の日も、炎天下でも極寒の真冬でも、道端の停留所でバスを待つんですよ。最近田舎の鉄道駅も、雨風すら凌げない駅に変えているところがありますが、もう鉄道会社も思考停止過ぎですね。

都会に住む私がこんな話をするのは大きなお世話で、地方の話は地方で勝手にやればいいんだと思いますが、既に大正時代以下にまで成り下がってしまった北海道の鉄道の現状を見ると、「国策」としてこれで良いのか?と心配になるのです。

そもそも、国鉄として建設されたJR路線網。かなりいい加減な基準で鉄道を廃止した旧国鉄。JRを旅客と貨物に分けてしまったところでもう地方のJRの運命は決まっていたのに、いまだにその議論すらない。地方も夕張のように「攻めの廃線」だとか意味不明なことをして街の劇的な衰退を生んでいる現状。

実は、かつてまともな交通行政なんてなかったんじゃないかと、本当に最近強く思います。

加えて、時事問題対策で改めて調べて酷さを知った、整備新幹線の並行在来線問題。新幹線が出来たら、並行在来線は切り捨てていいというバカな法律で、2024年、北陸本線は実質ほぼ消滅します。

敦賀から福井県区間は「ハピラインふくい」に、あとは順に、「IRいしかわ鉄道」「あいの風とやま鉄道」「えちごトキめき鉄道」「しなの鉄道」に全部転換されています。鉄道が本業でもない自治体が、第三セクターを作って運営するハメになっているのです。こんなの、ぶん投げでしょ。

全然違う問題なのは重々承知ですが、我が国のトップは、国内のこういう問題には目もくれず、海外に支援のお金を景気よくばら撒いて(まぁ貸し付けとか投資ですけど)来ます。そうじゃないってわかっていても、やっぱり心情的には「国内無視してんな」と思ってしまう昨今。

交通行政ひとつとってもこれだけ不満があるんで、そりゃひとつひとつ挙げていったらずっと語れますが、流石にここへきて裏金だ、キックバックだとか、派閥解散だとか… ご馳走様ですね。

優秀なビジネスマン、かつバランス感覚に長けた人がこの国の舵取りをして欲しいと思います。これは切なる願い。

大事な部分に本当に優秀な人がいない。交通行政や教育行政しかり。これがこの国の一番の問題点な気がしてなりませぬ。

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