出発時刻を見て欲しい。
朝7:10。

「そんな時間には起きてるワイ！」
という方。いや違うから。羽田の離陸時間だから（笑）
これに間に合うためには6:20に羽田集合。
5:30に出発だったので、起きたのは4:30。はえーよ（笑）
でも、最早恒例となりつつある弾丸地方教育視察ツアー。今回は初の北海道でありました。

高校進学の選択肢として、塾長がサポーターになっている「しまね留学」
https://shimane-ryugaku.jp/
のほかに、全国版とも言うべき、「地域みらい留学」
https://c-mirai.jp/
という制度があります。今回は地域みらい留学の関係で、深く関わる先生にお願いをして、高校進学時の子どもたちの「選択肢の幅を広げる」という目的があって北海道へ足を運びました。

そう。単にどっかの都立に入れときゃいいんでしょ？みたいなことを言いたくないし、思いたくないのです。どの学校へ行きたいかなんて、幅広く見てみなきゃわかりませんし、それがもしかしたら東京じゃないかもしれないと思うのです。

私は、都内の中学生のうち、本当に魅力を感じて進学できる学校が東京以外にあるという子が潜在的に相当数いると思うのです。でも知らなかったり、勇気が出なかったり、親御さんが反対したり。そういうことで何となくモヤモヤした高校３年間を送るくらいなら、地方へ飛んで思い切りのびのび暮らしてくるのも良いのではないかと思っています。だからこそ、その進路指導をする我々がまず情報を得、見てくる必要があるのです。

ということで、お休みを使って、羽田から約２時間で女満別に着陸。めまんべつ… なかなか大変なところへ到着。

すぐにレンタカーを借りて１校目に向かいます。

今回のメンバーは、桜学舎からは塾長といつもの当社取締役兼外交官＝妻（笑）、全ての取りまとめをしてくださっているあさひ未来塾の尾糠隊長。お馴染み自由塾町屋のブラボー先生＆荒川先生。以前組合でお世話になっていたトリオゼミナールの瀧澤先生、セブ島とのオンライン英会話教室を普及させている忠内氏、静岡の重鎮ひげくま先生、そしてお子さん3人を留学に送っているマッキーさん。カウンセラーのあべなおこさん、そして釧路から月見学道の月見先生。以上11名！　この忙しい時期に即答で集まるこのメンバー、好き（笑）

10:30 最初は北海道大空高校へ。10時半に北海道にいるってすごいな（笑）

名物校長・大辻雄介先生。↓この方です！

学校の統廃合が行われ、２校が大空高校になったそうですが、そこへ「しまね留学」で隠岐の学校で活躍された経験もある大辻先生が校長になって、学校自体が大きく変わり活気が出てきたという話を聞き、ぜひ！ということでお伺いしました。この日は校長は所用で出られており、お目にかかるのは夜の懇親会でしたが、同じ思いを持った熱い教頭先生にご対応頂きました。

世は狭いもので、「北海道で大空高校見てきます！」とFacebookに書いたら、早速隠岐から、「大辻先生は島前魅力化プロジェクトにおられる際に西ノ島のICT環境のインフラを整えてくださった方です！」とコメントが来ました。北海道にいて島根から連絡が来る。すごい世の中です（笑）

一通りの見学と説明が終わったのですが、YouTube撮影をさせていただいたのが何と生徒さん！　これ、ゆっくり編集して公開できればと思いますが、結論から言うと本当に素晴らしい！　中学時代何らかの迷いがあったり、自分を出せなかった子達が、こんなに生き生きと、そして堂々と、ニコニコ暮らせるなんて、教育環境の違いってすごいなぁ！と、純粋に驚きました。

大空高校は今や１年生は寮生の方が多くなったそうです。
北海道は、道内でも遠い地域から来る子は通えないですからね。そもそもの環境が違いすぎます。ゆえに、みんな大人にならざるを得ないし、しっかりしています。

そんなに子どもを囲い込んで甘やかして、全部やってあげちゃダメってことがよくわかります。大人に是非見て欲しい世界でしたね。

14:30 ご飯食べて、北の大地を車移動すること１時間。続いては斜里高校。最寄り駅の名前が「知床斜里」というくらいで、知床の玄関口。学校からはオホーツク海と知床半島が見えます。裏には斜里岳。

こちらは今まで単年留学（高２留学）が基本で、高校2年生の１年間だけ斜里に来てみませんか？という留学方式でした。ゆえに、学籍は元々の学校のまま、こちらへ来て単位認定だけしてもらえるという形だそうです。「地域みらい留学」にもいろいろな形があるのですね！

３年留学は次年度から始まります。つまり今年の中３から。
宿舎も心配だったのですが、こちらは地元の方のペンションをサブスクで借りてお世話いただくことになっているようです。実際に男子がお世話になるところを見てきました。お部屋もまずまず広くて、「いいじゃん！いいじゃん！」と。

一緒に行ったオンライン英会話の社長は、来年夏はここで仕事しようとか言ってました（笑）

割と時間がスムーズに流れたので、コーディネーターさんの計らいで、「来運（らいうん）神社」というところへご案内いただき、旅の安全を祈り、冷たい湧き水をもらってきました。

網走への帰路、ちょうどうまく時間が合って、JRの釧網本線に乗車出来ました。なので、駅前で車組と列車組に分かれての移動！　残念ながら新型のDECMOが導入されているので、旅情は半減ですが、快適に乗ってきました。途中北浜駅で車組と再会しつつ、我々はオホーツクの海の夕焼けを眺めながら旅情を楽しむ45分。

ですが、途中、外国人客の精算対応が上手くいかず、18分も遅延！　動き出す直前まで何のアナウンスも無いというところが何ともJRだなぁと（笑）

そして一旦宿に入り、19:00。
この夜は網走で教育委員会や関係者の皆様と懇親会。また様々なご縁がありました。

フリースクールの関係者もいらっしゃって勉強になったり、ネイチャーガイドや地元の一次産業の関係者とも知り合えたり、また子どもに提供できるコンテンツが増えたのが嬉しく思います。こっちにきて、「こういうことをしたい」と言ったら、やってくれる方々との繋がりが持てたのは本当に大きなことですね。

教育の関係者というのは、自分がいい先生になることばかりを考えている方も多いものですが、私自身は何ができるわけでは無いのです。ただ、コネクションを作って、いろんな人とのご縁の中で、子どもたちと面白い大人を繋いでいくことができればと思っています。

で、驚いたのが、今回の参加者にいた「しまね留学」にお子さんを行かせた経験のある保護者・マッキーさん。そのお子さん、島根の隠岐島前高校へ進学したそうなのですが、当時やっていた集団討論練習会にご参加いただいた際、何と私が担当者だったそうで、私のことをよく覚えていてくれたそうです。これまたスゴイご縁！　ありがとうございます！

2日目は9:00出発。

どんな高級宿に泊まっているかって？
いやいや、ドーミーインです！
でもドーミーイン、朝食からして神レベルの網走すご！
昨夜のつぶ貝、北寄貝、帆立貝も神レベル。 網走すご！

しっかり食って、ロングドライブ！

10:30、弟子屈（てしかが）高校。 全校生徒62名。 先生15。これだけでも手厚い！都会人は知らないことが多いなぁ。

地域みらい留学の定員はマックス16。でも推薦枠が埋まってしまうと0の可能性もないわけじゃないとのこと。推薦試験は面接のみで、遠方はや本州などの生徒はオンライン面接もあり。 事前に学校見学などで弟子屈まで来る場合は、生徒の分だけですが、町から5万円まで補助があり、まだ4名分が空いているそうですので、弟子屈高校のHPからぜひ！。

しかも！弟子屈高校は給食無料。
下宿費は8万、朝食付けて9万、このうち6万は町の補助が出るので、かかる費用は実質３万円。 手厚い…

ただし、地域みらい留学は来年度が募集初年度。でも、町をあげて応援してくださっているそうです。偶然帰りがけの生徒さんとも話をしたのですが、実に礼儀正しく、ハキハキいろいろ答えてくださって、本当にいい子。しっかりしてます。

こちらもYouTubeお待ちください！

あとは美幌高校を回って最終便で帰京なのですが、美幌が夕方になりますので、せっかくなので摩周湖へ。大辻校長もご一緒していただいているのですが、せっかくのお休みを… 恐縮です！

この日はピーカン！　滅多に見られない「摩周ブルー」だそうです。霧の摩周湖なのにね！（古いか！）

摩周湖から硫黄山へ。
ここへは、わが妻が何と大辻校長の愛車「スーパーセブン」（YouTubeに出てきた、ルパンが乗るような車です！）の助手席に乗せていただきました！（楽しかったそうです）

硫黄山から美幌峠へは、ブラボー先生が乗せてもらったようです！

で、こっちが美幌峠。眼下に広がるのは屈斜路湖です。
クッシー出てこないかなと笑っていましたが、いはやは、北海道、ナメちゃいけないですね。雄大すぎます。これまた同じ北海道でも札幌近郊では全然状況が違うんでしょうね。

一つ思いましたが、北海道は１泊２日の弾丸で来るところではないな（笑）

さて、美幌峠で大辻校長と別れ、最後は16:30に美幌高校へ。未来農業科のあるステキな学校で、神奈川から来た生徒にインタビュー。

そもそも、校門がわからずにぐるぐる回りし、校地の見学をするも、「あの辺まで全部学校です」みたいな感じになってきまして、一体どんだけ広いんだ！？と思うほど。しかも農業系の学科があるので、

牛舎まであるんです。
校内なのに、防疫体制まで組まれています。
資料のとうもろこし栽培もされています。

動物系と植物系と、いろいろ学べるようで、特に「生産」の現場については大学の生物系学科で勉強する内容とはかなり違うそうです。現場の勉強はやはり農業高校でないと勉強できないこともあるそうなので、一概に高校は普通科に行き、大学で農業を勉強すればいいとは言い切れないようですね。なるほどなぁ… こういうことも、現場に来てみないとわからないことです。都会で、理屈で考えているだけじゃダメなんですよね。現場で、現場の人に話を聞かないと真実はわからないこともあるのです。

19:55女満別発が、20:15にディレイ。
22:00過ぎに羽田着。
帰宅時間はご想像にお任せしますが、その後爆睡しました。

私としては、何より２日間、先生方を乗せて北海道の道を爆走して、事故らなかったことがホッとしておりますが、今回も本当にいい勉強になりました。

もちろん、思いは多々あります。
まぁそれは追々ゆっくりと。
ただ、本当に若い子どもたち、生徒たちに言いたい。

「大人の作り上げた世界を疑え！」

何も知らない、見たこともない、なのに訳知り顔で子どもに世の中を語る大人を信用するなと。私がこれだけ動いたって、まだまだ全然「知らなかった！」ということがたくさんあるのですから、世の中は本当にいろんなことがあります。

なのに、「MARCHに行けなかったら人生詰んだ！」「高学歴で上級職につかなきゃ意味がない」なんて言い出す大人もたくさんいるのです。

大空高校の生徒たちにも言いましたが、与党の総裁候補者の出馬会見で、候補者に公然と「知的レベルの低さで恥をかくのではないか」なんて上から目線の発言をする記者がいましたが、あれが旧世代が作り上げた価値観を象徴するものだと思います。私は、ああいう学歴厨・選民思想みたいなくだらない価値観を若い世代の子たちが完全に破壊してくれることを期待してますと高校生たちに話しました。

そして、大人がダメにしたものにこそ価値とチャンスがあると。JR北海道の話をしました。もうダメ、廃線ばかり、誰も使わない、要らない… ところが、乗った釧網線は座れませんでした。バス転換しようとも、バス運転手がいなくて転換できません。だからダメなのではなく、大人が成果を出せてこなかったのだと捉えるべき。今あるインフラにこそ価値があるのだと。古民家のリノベーションなどはその最たるもの。新しい価値観と実績を作っていくのは若者ですよと。

たぶん、「何言ってんだ、このおっさん？」とキョトンとしたと思いますが、北海道で感じたのは、この部分もありました。資源はある、魅力もある。生かせるものもたくさんある。でも使いきれてない、知られていない、そういうところがたくさんあるんだなと。

北海道での高校３年間。
何となく不完全燃焼だったり、本当はやりたいことがあるのに「きっとダメって言われるんだろうな」、「そんなことしても食っていけないとか否定されるんだろうな」、そんな思いを持っている子は、ぜひ飛び出してほしいと思います。3年行くもよし、1年留学もありますから、現高１もチャンスはあります！

これらのご相談や対策も、桜学舎で受け付けています！
世界じゃなくてもいい、国内でも「飛び立て！」

ということで、私は老体に鞭打って２日間、弾丸で回って、ほぼ運転していたので、月曜日は顔だけ出して休養します。火曜日からまた忙しい都会の日々。

と言いたいところですが、今月は本当に忙しく、家の個人的な問題として三重の土地の処分をしてこなければなりませんし、来月は大阪。さらには学校訪問やら、新しい学校とのコネクション作りの予定も入っています。

しんどいですが、個人的な部分は除いて、学校見学や塾の見学や、とにかくあちこちに足を運んで勉強させていただくのは「塾に通ってくれている子どもたち」が適切な進路をとれるよう、さまざまな可能性を持てるよう、本当に全ては子どもたちのために、という思いからです。

そんな人生後半戦の仕事をがっつりしております！

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