まとめノートは作るな?

 まとめノートを作って学習している子がいます。姿勢は大変結構なのですが、これまた「伸びない勉強をしているな」と思います。もし、ノートまとめをしろという先生がいたら、残念ですが見限った方がいいと思います。その先生に習っても成績は伸びません。

 最も良いのは、まとめノートを提供してくれる先生です。タダでさえ時間が少ない受験勉強ですから、自分でまとめノートなんて作っている暇はありませんし、素人のまとめノートなどゴミみたいなもので、太字の「当たり前」のことばかりが書いてあるノートになるか、それともポイントを外した使い物にならないノート、はたまた単色殴り書きで、二度と見返したくないノートか、大抵そんなもんです。

 作る労力も無駄、時間も無駄です。

 で、先生の「板書」や「プリント」で提供されるまとめノートは、最初からコンパクトにポイントがまとまっているので、それは大変有効です。しかもキレイ。ですから何度も見返して覚えてしまうことが大切です。

 自分でまとめノートを作ると、ノート作成で力が尽きてしまいます。その後の見直しなどしませんし、覚えたり問題をやったりというところまで行き着きません。キレイに色をたくさん使ったりしてまとめていても、結局はキレイな参考書を作っただけで、きれいさっぱり忘れています。点数にはならない学習になりがちです。

 ノートに書くよりも、「理解」「暗記」に全力を注いだ方が効率的ですし、効果的です。「書く」という作業は思った以上に重労働ですから、これを省いて、「理解」することに、また「覚える」ことに神経を使った方がいいに決まっています。「あとで覚えよう」といったところで、後で覚えたためしは無いのですから。

 「書かないと覚えられない…」という人は、昨日の「無駄に書く」人と同じ幻想を抱いているわけで、「見ただけじゃ覚えられない」というのは一見もっともそうに見えるのですが、あとでちょっと必要なところだけ書いて確認すればいいだけで、一から十まで書く必要などどこにも無いのです。

 お習字じゃないので。

 いちいち書く前に、「鎌倉幕府を建てたのは誰?」といわれて、「みなもとのよりとも!」と覚える方が先です。「源頼朝」と漢字で書けるのは第二段階。

 ましてや、英単語を覚えている子達なんかに時々いるのですが、正解で○がついている英単語を、「これ、何て発音するの?」と聞くと、「えーっと…」となる場合があります。これが全くの無意味な学習。言えるものは書けますが、書けても言えないのです。ましてや、字面から頭に入れると、音声から入れたときよりも倍から3倍くらいの時間がかかります。実に非効率的。

 ここで出てきた珍答もすさまじいものがあります。

 ダンゲロース(dangerous)
 ファボリット(favorite)
 ファモース(famous)

 まったくもって、素晴らしい(笑)
 書くよりも先に言えるように。そして、確認の意味で書く程度に。まとめノートは、人から提供されて活用するべし!

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