泣き笑い

この時期になると、生徒といろいろな話をします。いよいよ受験が間近になって来ましたから、焦っている子もいますし、逃避したくなる子もいます。呑気な子もいれば、精神的に不安定になる子もいます。

塾に残って、「家に帰りたくない」と言い出す子も出始めました。これも毎度のこと。塾にいることで「安心感」があるんですね、きっと。

話をしていて泣き出す子もいます。怒られているというよりも、何か心に溜め込んできたものが一気に噴き出すという感じ。「堰を切ったように」話し出す子もいます。そうか、いろいろ溜め込んできたり、答えを見つからなくて困ってたんだな…

自習に来ても、すぐ私達のそばに来る子もいますし、2階で自習するより1階で私達のそばで自習したがる子が多いのも不思議です。大人のそばで、私達のそばで自習したいんですね。安心感なんでしょうか?

そういえば、私達も幼い頃、母親が台所仕事をしている後ろで勉強したり、父親が本を読んでいる脇で勉強したりと、決して個室にこもって勉強をしていたわけではなかったのではないかと思います。子どもは大人を求めているのですよね…

そうかと思うと、学年4位なんて子が出ました。
昨日返した模試の英語が着実に伸びて、かなり高い偏差値を出した子もいます。共通点は、M講師に習っているという点。週1回しか来ないベテラン講師ですが、確実に成績を伸ばしていますね。スゴイ!

「2年生最後までに10位近くまで行けば3年生で伸びるよ」と方針を示した中学生男子。今回11位で、学年末を前にほぼ目標達成してしまいました。こちらもスゴイ! やるなぁ!オマエ! ニコニコですし、自信を持った顔をしていました。

この時期は泣き笑いです。私も生徒の話に1コマ分(80分)付き合うこともあります。1コマ分お説教することもあります。それも私の仕事。

でも、何故そんなことをするのか?
もちろん、心配だからです。だからちゃんと伝えます。オレはオマエが心配なんだと。

正直、これは塾人のプロとして申し上げますが、無理やり詰め込んで、半分嘘ついてでも学校に押し込んでしまうことなど、非常に簡単なことです。塾に縛りつけ、スパルタで叩き込んで、塾として後押しもして、無理に学校に合格させることなどたやすいこと。それをウリにしている塾も非常に多いです。古い塾など、それだけでやってるところもありますよね。

でも、私はそれが嫌です。「入れてしまえばこちらの仕事は終わり」「入ってからは知らない」と言いたくないのです。OBOGが訪ねてくる塾じゃなきゃ嫌なのです。「あの時言うことを聞いて良かった」と言われたいし、進学先で生徒が生き生きと、毎日楽しく過ごせていなければ嫌なのです。

そんな上っ面の教育を求めているわけでもなく、そんな「無駄な学力」は最も嫌うところ。本当の学力と、冷静な判断力を育てたいのです。「勉強が出来る子」ではなく、「賢い子」を育てたいのです。ですから、子どもの深いところまで踏み込みますし、叱りもします。もちろん誉める時は誉めます。恐怖で子どもを支配するなど、最悪です。

だから、進学して、塾に来なくなった後が最も心配。
さらに言えば、塾を辞めた子も非常に心配です。普通なら辞めた子など「知ったことではない」のでしょうが、これは私の性格で、「ちゃんと他の塾行ったかな?」「勉強やめてないかな?」「学校楽しく行ってるかな?」と思います。時々知り合いの子に様子を聞いてしまうことも。進学が決まったり、頑張っている様子を聞くと、本当に安心します。良かったなぁと思います。

どんな子でも、桜学舎に来れば我が子同然。カワイイことに変わりありません。生徒が増えた今、それだけ気にする生徒が多くなりましたから、私の家庭内でも生徒の様子や成績や日常の話題がかなり多く出ます。日常生活内でも他家のお子さんの心配をしているのはやりすぎかもしれませんが(笑)、一人一人が私達にとっては大切なのです。

このまま、今年度も無事全員受験を終えて欲しい…
頑張った!という充足感を持って欲しい。
進学先という新しいステージに、ワクワク感を持って進んで欲しい。

いよいよそんなことを思う時期が、今年もやってきました。

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