理系教育の充実が盛んに叫ばれている昨今。OECDの学力調査で、数学だか理科だかの成績が下降したことで驚いたのか、ゆとり教育の反動なのかは分かりませんが、理系教育は充実させねばならないそうです。
確かに、文科系大学へ進学を希望する生徒の方が多いようですし、理科系大学は、大学での勉強がかなり厳しいという話をよく聞きます。昨晩も理系大学に通う講師が、授業終了後(22:00過ぎ)に、
「これから大学に戻ります。今日は泊まりです」
などと言って帰りました。文科系大学なら、学校に泊まるなどということはありませんし、酔っ払って道端で「宿泊」したことは私もありますが(失礼!)、そんなに勉強がキツかった記憶もありません。
そういう話を聞くと、敬遠してしまう子もいるのかもしれませんね。
ただ、理科系教育を充実させるには、まず、優秀な理系教師を育てる必要があります。理系の「伝道師」が必要なのです。
残念なことですが、私は素晴らしい理数の教師に出会ったことがありません。私の人生の中では、私に算数・数学や理科の楽しさを教えてくれた先生はいませんでした。これは不幸なことなのですが、もし、楽しさを教えてくれる先生がいたら、私の人生も変わっていたのかもしれません。
私の理数の先生のイメージは、「人間に興味が無い人」です。
もちろん、全国にはそんな方ばかりではないことは重々承知。あくまで私のイメージです。しかし、当たらずとも遠からず…と言う部分もあるのではないでしょうかね。「人間」よりも、「モノ」や「学問」の方に興味があって、人間は「面倒くさい」と思っているフシがあるようにも感じます。
幼稚園からの長年の友人Sは、千葉のトップ校から東大へ進み、研究をひたすらしていました。時々酒を飲んだ際も、「ボクは彼女よりも研究の方がいい」とハッキリ言っていました。
かつて在籍した理系講師も、人生の中で出会った理系の友人たちも、よくよく思い返してみると、そんな傾向が(あくまで傾向ですから100%じゃありません)見られます。
理系の研究者としては優秀なのですが、そんな優秀かな彼らが、人に、特に子供に理数の楽しさを教えることに情熱を傾けられるのか…というと、どうもそううまくはいかないようです。自分の研究をしている方が楽しいと、そうなるようなのです。結果的に、どうも「教師」は「文系」の人間の仕事であるように思えてなりません。つまり、文系の人間が、理数の楽しさを教えねばならないという矛盾から、今の「理数系が育たない教育」に行きついているのでは? なんて思ってしまいます。
理系教育の充実は、巡り巡って、結局、人間教育からスタートということになるように思います。人に興味を持ち、人とのコミュニケーションに喜びを感じ、子どもに理数を楽しく教え、伝えることが出来る、またそこに情熱を傾けられる教師、それを育てねばならないのではないかと思います。
まぁ、偏見なんでしょうけど(笑)
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