「考える」ということを考える

 「考えろ」

 最近の私の口癖です。
 とにかく考えろと。考えないで済ませようとする「省エネ」くんが非常に多く見られる昨今。まぁ、人のせいにしては仕方がありませんが、考えずにスルーしてきた子というのが非常に多いのですね。

 桜学舎に入りたての子は特に「考えろ」と言われます。
 どこでどう勉強し、習って来たかはその子その子の学習歴にもよりますが、「考えない癖」がついている子は近年非常に多いものです。

 記号式の問題しかやってこない子。
 解答欄だけ書いて来て、「考えても分かりませんでした」と平然と言う子。
 調べもしないで宿題をやり、「調べてよかったんですか?」と驚く子。
 テストのために、「答え」を覚えて来る子。

 よくぞそこまで考えないで生きてきたと思うほど、「思考」から逃避する子が目につきます。当然、成績なんて伸びっこない。ですから、とにかく「考える」意義と、その必要性、そして結局考えたほうが楽なんだと諭します。それを理解し、「考え」始めるまでにはかなりの時間を要しています。

 でも言い続けています。
 「考えろ」と。

 例えば算数。
 手順の通りに線分図を書いてみた。
 やり取りを表にしてみた。
 計算をしてみた。
 それならば答えが出ていなくても、途中までの思考プロセスが追えます。まるっきり手がつかないわけじゃなく、そんな努力も出来たはず。白紙は無いはずです。必ず何か書けるはず。

 押してダメなら引いてみな。

 算数はそういう「視点の転換」も重要。見方を変えてみることも重要です。
 分かることを書いてみる。
 表にしてみる。
 そこで初めて、「あ!」と気付くことも多数あるのです。

 時には反射神経を養うことも重要でしょう。
 しかし、意味も分からず、単純な数字操作だけの計算問題をやらせる意味はあまりありません。ちゃんと理屈や理由が必要です。

 「考える」
 考えることをやめたら、恐らく人は終わりです。ああでもない、こうでもないと考えて下さい。

 大人は、子どもに「考える」よう指示を出しましょう。
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