勉強、その前に。

 受験勉強。
 補習。
 学習習慣。
 そういうものの前に、桜学舎はとても大事にしているものがあります。

 それは、「誤魔化さない」ということ。

 例えば、出された宿題をやって来ない場合。
 子ども達はもっともらしい理由を一生懸命言います。「机の上にノートを忘れた」「やったんだけど持ってくるのを忘れた」というのは古典的手法。桜学舎ではこういうのは、「へぇ。じゃぁ、取りに帰って」と指示します。

 中には、「授業料払っているのに、取りに帰らせるのか!授業料返せ!」とねじ込んでくる保護者もいるんだとか(少なくとも私の塾にはそんな保護者はかつていらっしゃいませんでしたが、噂には聞きます)。しかし、桜学舎は帰します。そのために自宅や通塾経路まで把握しているわけですから。さすがに自宅が遠い子や電車に乗って通っている子にそんなことは言いません(別の手法があります)が、とにかく本当なら取りに帰れと言います。

 大抵、モジモジし始めて、「やっちゃったほうが早いから、今やる」「いや、お母さんが外出中で家に入れない」などと始まります。それでも取りに行けと言うと、「ごめんなさい」と来ます。嘘をついているなんて、ハッキリ言って最初から分かるでしょう、25年近く子どもを見てきているわけですから。逆に、分からない塾長はちょっと心配ですよね。表情やら何やらで、本当か嘘かは大抵わかります。

 今週中に再テストを受けに来なさいといってもすっぽかしたり、テスト日を忘れていたり、提出物をスルーしたり、とにかくそういう面での「躾」が出来ていない子は、塾歴(桜学舎歴)が浅い子には多いものです。私達はまず、こういう面での「躾」を徹底します。

 嘘をつかない・誤魔化さない
 スルーしない、すっぽかさない
 その場しのぎをさせない・意味を身に着けさせる

 難しいことですし、当然ここには「叱る」という作業も混入してきます。
 昨今の「進学塾」では、生徒は「お客様」なので、この「叱る」がゼロだと聞きます。叱ると生徒がヘソを曲げてやめてしまうからだそうです。また保護者のクレームになるからだとか。

 しかし、「やめてもらって結構だ」という覚悟が無ければ、それくらい本気でなければ「叱る」は出来ません。誠意と、「我が子だったら」という思いと、「ここで躾けないとこの子の将来が…」という本気度。ゆえに桜学舎は、叱ります。ダメなものはダメ。目くらましは許さない。

 でも、子どもはそういう本質を瞬時に見極めますね。本当に心から本人のことを思って叱れば、子どもはそれでヘソを曲げることなんてありません。もちろんこっちもタイミングを見計らう「プロ」の視点はありますが、それでも、叱った子ほど私の周りに来ます。何度叱られてもチョコンと私の隣に来て勉強している子もいます。愛があるかないかは、子どもはすぐ直感で分かるのだと思います。

 結局、この躾が上手くいけば、勉強の指導も上手くいくのです。
 指導が上手くいけば、結果が出ます。
 単純なことなんですが、まずは私の言うことを素直に聞いたり、信じてくれるようになることが大切。ということは、私たちが、正しいことは「正しい」、間違ったことは「間違っている」と言える、「正しい大人」として子どもに接する、また判断基準が明確な大人として接することが大事なのだと思います。

 受験勉強のカリキュラムが多少遅れても、こっちを確実にやっておくほうが後あと楽になります。今、入塾して間もない子が多くいます。しっかり「どうやって勉強するか」「自分に正直になるか」を教える日々です。

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