過去問の扱い方

過去問題集。入試の前には皆解いているものですね。過去問をしっかりやっておきなさい…というのは確かに入試対策の一つの定番です。

しかし、過去問は取り扱い方を間違えると酷いことになります。ですから、注意してやってほしいものです。桜学舎では常に過去問に頼り切るな…と言い続けていますが、それでも変なことをしてしまう子が時々います。

まず前提として、「過去問は二度と出ない問題集」だということを忘れてはいけません。大抵の場合、発売されている年度の問題を繰り返し出題するということはありません。もちろん一般的に頻出の単元や問題というのはありますし、問題傾向や出題形式は前年を踏襲される可能性が高いのはもちろんですが、過去問で一生懸命「勉強」してはいけません。いくらなんでも学校のプライドとして、過去問集に載っている問題は出しませんよ、さすがに。

ですから、入試説明会で言われた「過去問をしっかりやっておいてください」という言葉を丸のみして、過去問ばかり繰り返しやり続けたり、過去問自体で勉強したり、裏返せば通常の受験勉強を一切中止してみたり、そんなバカげた学習はしてはいけません。過去問の使い方を間違えてはいけないのです。

過去問をやる目的は、「傾向把握と実力試し」でしかありません。
過去問で出題されたところを一生懸命勉強しても、来年そこは出ない可能性も十分ありますからね。

ただ、私達が過去問を生徒に学習させるのには異なる意味があります。
例えば、昨冬の冬期講習、高3古文のテキストは私が編集しました。わずか10問しか問題を引っ張ってきていないのに爆発的的中。上智大、中央大をはじめ、4問が的中の報告を受けました。文章自体が丸々一緒。見事なまでのドンピシャ的中です。しかし、これには訳があります。私は全国の入試問題データベースで検索をかけ、複数の大学で出題されている文章を選びました。出題傾向が高いと見たのです。その中から10問をピックアップしたので、そりゃ出そうな文を選んだのです。しかし、予想問題的にヤマをはったわけじゃありません。普通に授業をして、詳しく解説して。だから問題を見たとき生徒は心の中で小躍りしたそうです。もちろん他大の問題として出しましたから、決して的中することが目的ではありません。あくまで一つの教材として学習したのです。生徒が過去問で勉強するというのとはちょっと違いますね。

数年前の法政大学とセンター試験の古文が全く同じであったこともありました。「恋路ゆかしき大将」という奴ですね。だから、受ける学校の過去問だけやっていればいい…という問題でもないのです。

過去問をやらないというのは問題です。
実際、ちゃんと過去問をやれと言ったにもかかわらず、滑り止めだからと過去問すら買わずに入試に挑み、受かるはずの入試で落ちた子もいます。ナメちゃいけません。

でも、受験校の問題じゃないからやらなくていい…というのも問題です。というか、受験というものをなーんにも分かってない人がよく言う台詞です。その昔、「私立を受けるのに都立の問題をやらせた」と血相変えてクレームを言って来た人もいたそうですが、何も分かってないなぁ…と。そりゃ教材の一つとして都立の問題が引用されているテキストなどありますから。そういう問題じゃないのですが…

過去問に頼り切った人に、いい結果は出ていません。過去問はそんな万能じゃありませんよ。むしろ二度と出ない問題集だということ、しっかり理解して頂きたいと思います。

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