将来は英語使わない?

「英語なんて将来使わないし、無駄だ」
「私、海外に行かないから英語は要らない」
「外人と喋ることなんて無いから英語はやりたくない」

英語が苦手な子や嫌いな子は必ずこういうことを言います。私には関係ないことだからやらなくてもいいだろうという論理。これって、親御さんもつい言ってしまうことなんですよね。英語が出来なくてもお母さんは不便じゃなかったとか、お父さんは仕事で英語を使わないとか。別によくね?って感じで。ましてや、海外との取引や外国人観光客等が少ない場所での仕事をされている方だと実感は無いでしょうね。

しかし、私達はこんな子ども達によくこう言います。
「きみたちが海外に行かなくても、向こうから来るんだよ(笑)」
東京オリンピックは大きな契機になります。これでかなりの子が納得します。そうだよなぁ…って。明らかにこの谷根千エリアでも外国人観光客は多いですし、循環バスめぐりんにも外国人が多く見られます。自分が話したくなくても、どうしても必要になる時代がやってきます。

ご承知のように、塾の4軒先で義弟が店をやっています。元々大手の飲食店に勤務していた義弟。店舗にずっとこもって仕事をしていたため、世の動きに鈍感だったようですが、開店後にこれほど英語需要があるとは思わなかったと自分の勉強不足を恥じている様子です。みんなが英語を話せるとは思っていなかったと。町のお店に勤めるレベルで、もう英語力は必要な時代なんですね。先日もベルギーからレオニダスチョコレートのアジア地区担当者がやって来るというので、お迎えしました。どんな方が来るのかと思いきや、カワイイ、若いお嬢さんでした。香港のオフィスに勤務し、来日後は東京から関西の店舗をいくつか回るのだとか。ベルギー人だから何語を話すのだろうとおもいきや、英語でのコミュニケーションでOKでした。そうですよね? つまりこうやって海外に出て行く人は基本的に英語でのコミュニケーションが可能なのです。私も日本人感覚であったのが恥ずかしかった…(笑) その後は少し英語で。出しゃばらない程度にお話しさせて頂きました。

海外に行かないから英語は要らないというのも、果たしてそうでしょうか?と思います。私の先輩・後輩でも、決して英語が出来た訳でもなく、英語学科を出ている訳でもないのに、普通に営業の仕事として年に何十回と海外出張に出かけている人がいます。今やある程度の規模を持つ会社は、何かしらの形で海外との取引をしていますし、また海外から新しいものを導入することもあるでしょう。

まして、今はPCの時代。PCの中身は全部英語で出来ていますし、私ですらマレーシアやフィリピンの友人とFacebookやメールなどでやり取りをしています。日本語の場合もありますし、英語でやり取りする人もいます。すぐ海外とリアルタイムでやり取り出来る便利な世の中。ネット社会。以前よりも文字を読む機会も増えていますし、文章を書く量も増えていますし、それが英語になることも増えています。

日本語はもちろんですが、英語力の有無は、これからの子の未来を左右する問題です。英語が出来たらスゴい…ではなく、英語が出来ないとヤバいという時代が、もうそこまで来ています。否応無しに英語を読み書き、聞き、話す時代が来ます。英語が出来ないとまともに就職すら出来ないという時代がもう来ています。間違いなく、東京オリンピックがそれを後押ししてしまいました。それがこの国の流れ。

ただ、従来の大学受験の様な英語ではないようです。何とか構文だとか、何とか完了形だとか、何とか法だとか、もうそういう「文語的」表現が問われる訳ではなさそうです。大量の現代英語を読めるか、会話が出来るか、もっと言ってしまえばビジネスが出来るか、そういうレベルでありそうです。昔の受験英語なんて、私でもカビ臭くて、笑ってしまいます。例えば、直接話法を間接話法に書き換えろとか、クジラの構文とか…

もちろん、そういうことも知っていれば、表現のバリエーションが増えることは確かですし、難しい英文も読めるのでしょう。そもそも大学入試の英語とはコミュニケーション英語ではなく、大学の論文が読めるかどうかを確かめる英語試験だった訳ですから、大学入試の英語をコミュニケーション英語にする…というのはもしかしたら「違う」のかも知れません。英語コミュニケーションはできるけれど論文を読んだり書いたりは出来ないという人が増えるかも知れません。

しかし、世の流れはどうもそうではなさそうです。
いずれにせよ、将来英語が必要になります。ほとんどの人が何かしらの形で英語に触れる時代がもう目の前までやって来ています。英語が特別な力でなくなるのですから、恐れず、今から訓練をしていきましょう!

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「将来は英語使わない」中高生の4割に
2014年(平成26年)12月12日[金曜日]NHKニュース 

国際的に活躍する人材を育てようと、文部科学省は英語教育の充実を検討していますが、民間の研究機関が中学生と高校生6000人余りにアンケート調査を行ったところ、「将来自分が英語を使うことはほとんどない」と考えている生徒が4割を超えることが分かりました。
この調査は「ベネッセ教育総合研究所」が、ことし3月に行ったもので、中学生と高校生6294人が回答しました。
この中で、「大人になったとき、社会ではどれくらい英語を使う必要があると思うか」尋ねたところ、「いつもではないが仕事で英語を使うことがある」という答えが最も多く、中学生で54%、高校生で58.5%、「日常生活で外国の人と英語を話すことがある」が中高生ともに20%余りでした。
これに対して、「自分自身は将来、どれくらい英語を使っていると思うか」尋ねると、「英語を使うことはほとんどない」と考えている中学生が44.2%、高校生は46.4%を占め、英語が必要な世の中になると感じているものの、自分が実際に使うことはあまりイメージしていないことが分かりました。
今回のアンケートでは、英単語の暗記や英文の和訳が中高生の勉強の中心となっていることも分かり、ベネッセ教育総合研究所は「気持ちや考えを英語で話したり書いたりする授業が必要だ」と分析しています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20141212/k10013909901000.html 

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