頭いいんでしょう?

初任者研修6回(一部7回)を終えた大学生講師が3名、無事講師デビューを果たしました。
初任者研修を終えてから、確認テストを受けて、80点以上得点できた場合のみ講師デビューできるという厳しい制度になって初めての講師。大学生とは言いながらも、桜学舎は厳しく研修をしています。あと1名、研修を始めた講師がいます。頑張ってもらいたいなぁと思っています。

さて、そんな講師たちに、折々に言う言葉があります。
「あんたたち、頭いいんでしょう?」


今、桜学舎の講師の出身校・在籍校を見てみると、皆なかなかの学歴です。
早稲田をはじめ、明治大、学習院大、東京理科大、首都大学東京、千葉大、青学大などなど…
卒業生が多いので、イコール桜学舎の実績という部分もありますが、勉強面ではなかなか「アタマイイ」子達が多いものです。

ですが、偏差値の高い大学に通っていると、中堅以下の大学の学生や、勉強で困っている生徒などをバカにしてしまうというケースがあったりします。最近では我々の「教育」がそうはさせませんが、その昔は外部からやってきた講師が多かった時代があります。そんな講師に対しいつも感じていた、この変な優越感をペシャっと潰すのが仕事だった時期もあります。そんな時に使った言葉が、

「このくらいのこと、わかるよね? 頭いいんでしょう?」

でした。この言葉を印籠のように出して、有無も言わせずキッチリ仕事をさせ、態度も改めさせていた記憶があります。でも、これっていろんな場面で使える…というか、ちょっと調子に乗っている子どもには言うべき言葉だと思っています。

「他人を見下す」人は、それが両刃の剣であることを認識しなければいけません。これは教える側のみならず、たとえば、勉強が出来ない友達をバカにする生徒にも使えます。いや、よく使います(笑)

子どもっていうのは「残酷」なものです。幼いが故に、容赦が出来ないわけです。だから、悪気なく、深く考えずに人の悪口を言ったり、友達を批判したりします。「オレの方が偏差値が高いから偉い」「あいつは馬鹿だ」くらいのことは平気で言いますし、受験生の小学生など「あんな学校へ行くやつはバカだ」なんて平気で友達の受験校をバカにしたりします。

でも、自分が頭がいいと主張すればするほど、
「他人をバカにしたり、悪口を言ってはいけないんじゃない? 頭がいいのにそんなことも分からないの?」
と私は突っ込みます。

「頭がいいのにそんなことも分からないの?」
と突っ込まれる可能性が高いことに気付かないのは、頭が悪い証拠であるような気がしてなりませんし(笑)、そもそも頭が良ければ、他人を傷つけてはいけないとか、人には親切にしなければいけないなどという「モラル意識」も高いはずですが、どうも比例しない子が時々います。

自分が頭がよかろうが、能力があろうが、他人に気遣いをして、そういうことを誇示しない…
日本にはそういう「謙譲の美徳」というものがあったはずです。それが礼儀であり、配慮であり、世の中上手に、丸くおさめる方法であったはずです。自分の方が賢いことを一生懸命主張して、他人をバカにして、一体何の得があるんでしょうね? 自分の評価を落とすだけです。

それは、大人が「勉強が出来るように教育する」のもいいけれど、「人間として大切なこと」をきちんと教えるべきだということでもあります。ちゃんとした人は、ちゃんと人格教育を受けているものです。

頭がいいということと勉強が出来ることはまったく別物です。
頭がいいから他人を馬鹿にする、などという子にならないように。規範意識や正義感の高い子どもを育てたいものです。

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