中学受験というのは、一番親御さんが期待するところだそうです。
つまり、まだ未知の力に期待ができるところ。ゆえにお金もかけるし、頑張らせるんだとか。
これが高校受験、大学受験になると、「うちの子はこんなもんでしょう?」となってくる。つまり、一番大事な、一番力の入れどころである大学受験で「諦める」人が出て来るんだそうです。
私は、塾経営人生の最初の10年を、「中高一貫塾」と謳って塾を運営していました。純粋に若さゆえに小学生が苦手だっただけなんですが、「中高一貫」なんて、20年前に言ってたんですよ、私は(笑)
そして東京に来てからの10年は中学受験へのチャレンジでした。最初は千葉で塾をやっていたので中学受験は盛んではなかったんです。中学受験はなくはなかったんですが、多くもありませんでした。ですから、桜学舎には「小中高」の指導ノウハウがあるのはそういう経緯からなんです。
さて。中学受験をしたほうがいいか、高校受験でいいのか。
結論からすると、私は、こと東京に限って言えば、中学受験はしたほうがいいと感じています。
近郊は中学受験をする子の方が「特殊」で、トップ校を目指す入試になりますので激戦。厳しい勉強になります。しかし、東京はそれだけではありません。中堅校や下位校がたくさんありますし、それらの学校にも行く意義がかなりあります。高校から入るとレベルが高いとか、中で伸ばしてくれるとか、のびのびと6年過ごせるとか。
さらに、年齢的な問題も。小学生まではまだ大人の言うことを聞きます。大人がコントロールできる間に受験勉強をさせてしまった方がいいという考えもあります。中学生になるといきなり大人の言うことも聞かなくなり、生意気になりますし、下手をすると中2病を発症します(笑)とにかくコントロールが面倒臭い。高校入試の子達はとにかく親御さんとぶつかっていますし、親子ゲンカが絶えないと聞きます。私立の中学に行ったからといって塾要らずになるわけでもないし、親子円満になるわけでもないのですが、少なくとも面倒なことから一つは解放されるのは事実でしょう。
ゆえに中学受験をした方がいい気がしています。
ただし、そのやり方が問題。
ただ有名受験塾に通って、全部を吸収して来れるのなら問題はありませんし、最初からそういう力があるんでしょうね。だからどうぞ頑張ってくださいね。
ただ、桜学舎はそういう感じではありません。
最初から首都圏模試偏差値60以上の学校に行かなきゃ、中学を受ける意味がないなどとおっしゃる方は、どうぞご遠慮ください。もちろん大手塾や家庭教師との併用も、ご遠慮ください。
初めから高い学校を目指すことは否定しませんが、往々にしてそういう方は、
「高いところに受からなければ最低だ」
「そんなのはやる意味がない」
下手をすれば、
「受かればエリートなんだぞ」
「勝ち組なんだ!」
などと、ちょっと歪んだ価値観にどっぷり浸かってしまう傾向があります。それでうまくいけばめでたしめでたしなのですが、やはり勝負ですから勝者がいれば敗者もいます。
そしてダメだった時には、子どもは「こんな学校には本当は行きたくなかった」と思って6年間学校に通うことになるのです。こんな不幸はありません。
その昔、某大学付属高校のなかで一番レベルの高い学校へ通っている子がいたので褒めると、「本当はこんな学校に行きたくなかった」「うちの学校はレベルが低い馬鹿学校だ」と言っていたのでビックリしました。友達も少なかったようですし、常に拗ねて、常に不機嫌で、暗い、心配になってしまうような子だったのを今でも覚えています。
私達なんて、誰彼問わず、褒めておだてて煽り立てて、「普通の子がトップ校に受かります」なんて甘言で生徒を集めると大変なことになってしまいます。そういう風潮に疑問を持ってお問い合わせ頂いたり、転塾される方々が桜学舎へやって来るんですね。
そういう、誰でも彼でもトップ校を目指させる教育、そして遠い目標に向かって突っ走らせる教育は、極めて「男性的」な教育だと思います。ですから、お父さんは結構共感してしまって、お父さんがやる気になってしまうケースが多々あります。「いけー!」「トップ校を目指せ!」となるんです。「やるからには一番を目指せ!」って言い出したら、私達の手を離れます(笑)
私はそういう現場もかつて見て来たので知っています。一握りの輝かしい合格実績の裏には、大量の「不合格」があります。膨大な合格数は氷山の一角で、子どもの未来を「確率論」で語ってしまう危うさがそこにはあります。これは何入試でも同じ。つまり、「たくさんの敗者を作る」ことになってしまうのです。それは、大人であれば納得も出来ます。冷静に判断も出来ます。しかし、当事者は「小学生」です。いくら分かっているとは言え、ほんの少しのことで全部がダメになってしまうような「子ども」なんです。
ある私立中学校の先生がおいでになった時に、「うちの学校に来るような子は、とにかく塾での敗北感がすごいんです」とおっしゃっていたのを思い出します。塾で煽られて、これでもかと敗北感を味わって来るので、やっぱり「私は第一志望で来たんじゃない」「ここへ来るつもりはなかった」「バカだからここしか受からなかった」などなど…
「桜学舎から来る子は本当にいい子で…」
とお世辞も頂戴しましたが(笑)、いや、当たり前でしょう?と心の中では思いました(笑)
いかに「頑張った!」「報われた!」と思って、肯定感を持って中学へ進学するかまで考えているのですから、当然なんです。そもそも、やっとの事で手に入れた学校は大切にするものです。愛校心が生まれない進学など、まさに無意味。
皆がレベルの高い学校に受かるなどという幻想を持つことがおかしいんです。
桜学舎はそうではなく、「一段一段登らせて高みを目指す」のが手法。実に「女性的」な考え方なのかもしれません。体育会系の「武闘派」ではなく、穏健派であるのもそういうところからなのかもしれません。とにかく嫌なんですね、そういう「おりゃー!いくぞー!」みたいなのが。
そんな強い子ばかりではないんです。子どもですから。
桜学舎には、大手の厳しい受験勉強で参ってしまって来る子も多いものです。そして、逆に上手く大人の目をごまかして来た子もいます。とにかく、なんだかみんなと同じところでやってりゃ大丈夫って話でもないんですよ、中学受験は。
「私、小5から桜学舎に来てた
ら変わったかもしれないなぁ…」
小6から転塾してきたある子が、受験前にしみじみと遠くを見つめて言った言葉が忘れられません。
「私ね、前の塾、すごーくサボってたの。何でかって、怒られなかったから! サボってても怒られなかったよ。だからサボっちゃったの。桜学舎はちゃんと言われるもんね。最初から桜学舎に来てたら、挑戦校受かったかなぁ?」
子どもは大人をよーく見てます。そして誰よりも本能的に判断しています。
真正面から受験生・生徒たちに向き合っている桜学舎は、来ている子どもたちの性格まで加味しながら、あれこれと考えて指導しています。
結論。
中堅どころをお考えの皆様。
やっぱり、「桜学舎で」受験しましょう。
受験に受かるだけではなく、心も成長する中学受験を、是非桜学舎で。
お待ちしています。
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