過去問をどうやるか

先日、塾の先生が集まって情報交換会がありました。
東京の東側の先生が中心の「支部会」というのをやっているのですが、そこでやっぱりこの時期ですから「教務」と「教材」が話題に出ました。

その際、過去問をどう扱っているかという話題がでましたが、意外にも各塾バラバラで、受験を専門に扱っている塾などはこの時期すでに毎回過去問をやらせているとのことでした。年度の違うもの、また傾向が似ている他校のものをやらせ、問題に慣れさせていったり、実際の問題をやって点数をはかってみることで、どのくらい到達しているかを確認する意味もあるのでしょう。

桜学舎でも、「過去問をやってほしい」という要望をこの時期に頂くことが多くあります。もちろん通常の塾ならばやらせる時期に来ていると思います。

しかし。
桜学舎では「まだやるな」と言ってあります。もちろん、志望校が決まっている方は「過去問を入手することはOK」と言ってあります。直前だと無くなっちゃうケースもあるので、早めに買っておいてくださいとはお願いしてあります。ただ、まだやらないで、と。

たとえば中学受験。
今のスタンダードでは4年生から3年間かけて中学受験勉強をするのでしょうが、桜学舎は昔のスタンダードである「小5ー6の2年間」でカリキュラムを組んでいます。ですから、大手塾で4年生を過ごしてみたけれど、どうもキツそうだという方が5年で転塾するというケースも結構多くみられます。ただ、そうなると、どうしてもカリキュラム上後ろが詰まって来ます。3年コースなら、6年生の夏には一通りの事が終わっているのだと思いますから、その後過去問に入っても大丈夫なんでしょうが、桜学舎の子はまだ最後にやってないところがいくつか残っている状態ですから、そっちが先です。

桜学舎がターゲットにしている学校へ行くなら、そのくらいのペースで十分ですし、それで十分合格をさせて来ています。中学受験の子は、冬休みから、下手をしたら年明けからでも構いません。ただし、前哨戦として受験したりする埼玉県の学校については、1月10日が試験ですので、12月からやっていいですということになっています。

高校受験も同じです。
結局、今の高校受験の半分は「内申点」ですから、最後まで中間・期末対策をせざるを得ません。ですので、試験が終わるまではなかなか「受験モード」に入れなかったりします。実は2学期末が終わっても、学校でやり残している分野はあるので(数学の三平方の定理とか)、その部分は埋めねばならないのですが、それでも実際本格的に受験対策するのは11月からということになるケースが多く見られます。某校の吹奏楽部など今月まで部活がありましたから、生徒の気持ちが切り替わるのが11月だったりします。ゆえに、過去問などやはり年明けにならざるを得ないのです。

唯一異なるのは大学受験生でしょうか。
この時期、過去10年20回分のセンター試験問題を解いているくらいじゃないと困りますが、今年は何だか次々と推薦試験・AO入試で決めて来てしまう子が多く、実は一般受験を考えているのは2名だけ。既に3名の合格が決まり、数名の合格発表待ちでもあります。あと3校くらい出るかな?? 一般受験の子は、これから過去問漬けになる時期ですから、頑張らないとね。


過去問をどう勉強したらいいかという質問もよく出てきます。
過去問で「勉強する」というのは、残念ながら「愚の骨頂」です。つい、「過去問を何回もやれば受かる」みたいなことを言われて(時々、学校説明会で言われて真に受けてくる子もいます)、過去問の中身をじっくり深掘りする子がいますが、よく考えてくださいね。

「過去問は、二度と出ない問題集」

です。
いくら何でも、さすがに出題校側もプライドっつーもんがあります。去年出した問題や、過去問題集で販売されている問題などは、やっぱりチェックされていますし、出しませんよ。単語が重複するとか、同じ分野が問われるとか、その程度はあるかもしれませんが、同じ部分が問われ、同じような問題が出るなんて滅多にありません。ですから、過去問で勉強してはいけないのです。むしろ、他校の過去問の方がよほど勉強になるかも(笑)

過去問をやる目的は、

1)実際の問題を経験して、問題慣れをする(出題形式や傾向に慣れる)
2)出題範囲や問われる部分の癖を研究する(傾向と対策)
3)実際の時間をはかって受験をシミュレーションしてみる
4)実際の問題で自分の到達度をはかる

これ以上でもこれ以下でもありません。勉強教材として、過去問で出されたところを一生懸命ピックアップしても、そこが出ることは滅多にないということなのです。傾向は見られるけどね(笑) 考え違いをしない方がいいです。


はやく、一通りの勉強を終えて、過去問に入れるようにして欲しいのは確かにその通りなんですが、勉強が中途半端なうちに過去問をやって、点数が全然取れないとモチベーションが下がりますし、自信も失っていきます。大手受験塾に通う方の話を聞いて、「過去問をやらなきゃ!」と慌てる方も時々いますが、そうではなく、今やっていることと、お子さんのペースとをよく考えて、適切な時期に適切な学習をしないと、おかしなことになるので焦りは禁物です。

ただし、年が明けても過去問に手をつけていないようでは逆に心配です。
是非、過去問のやり方とやる時期、気に留めていただけたらと思います。 

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