断ってみよう

子どもたちに、先日こんな話をしました。
「大人はいろいろ言うだろう? 面倒くさいだろう? だったら、一度断ってみたらどうだろうか?」
え?どういうこと?
という反応が当然返って来ます。
大人はなぜ子どもにいろいろなことを言うのか、そこをまず考えてみてほしいと言ったのです。
例えば、親はなぜいろいろなことを子どもに言うのか。それは言わないで放っておいたら、後々成績や進路がとんでもないことになってしまったってことになりかねません。そうなってしまった時に、「何で早く教えてくれなかったの?」と子供に恨まれたらたまったものではありません。なので、ちゃんと知っていることは子どもに伝えるために、いちいちうるさいことも言います。それをどうするかは本人次第ですよね。

他人の大人はどうでしょうか。例えば先生。学校でも、私たちのような塾の先生でも、いちいちうるさいことを言います。宿題やれとか、自分で考えろとか、サボるな.とか、先々のことを考えろとか(笑) それはやっぱり「教えてくれなかった」と後から言われるのでは困るからでしょうね。後で、「あの時教えてくれていたら、こんなことにはならなかったはずだ」みたいなことになると、とても困ると思います。私もこれが一番嫌です。責められるのが怖いので、自分の職責を果たすことがまず第一になります。

それがどんどん先回りして、サービス過剰になっていくのです。塾でも、
「テスト対策してあげようか?」
「成績があがらなかった補習してあげようか?」
「毎日自習室開けてあげようか?」
「早くから遅くまで席を用意しておいてあげようか?」
「やるものも全部準備しておいてあげようか?」

そういう過剰なサービスであふれかえっているのが現代です。
飲食店だって、お水出しましょう、お絞り出しましょう、ドリンクは先ですか後ですか、全てお揃いですか、お済みのお皿お下げしましょうか、もう至れり尽くせりです。もちろん飲食店側の事情ももちろんその中にはあるのですが、それでも海外と比べたら日本の店員さんは親切すぎるほど親切です。

大変ありがたいことなのです。決して過剰だから要らないとか思いませんよ。私も義弟の飲食店に関わっている人間なので、店側の理屈というのも心得てはいます。

が、一度断ってみるというのも、なかなかいいものだと思いますよ。
私が最近時々断っているのは、コンビニで「お箸ご入用ですか?」と聞かれるとき。必要な時は仕方ありませんが、家にお弁当などを持ち帰る場合や、教室でも、お箸を時々断ります。スプーンやフォークもしかり。だって、ありますからね。わざわざもらって、食べて、捨てる必要がありません。

さて何が言いたいのか。
「そんなもんいらねーよ!」
って、みんなも断ってみようよ、という話です。テスト対策のプリント欲しい?と言われても、
「あ、もう十分やっているので、大丈夫です!」

これから勉強時間だろうから、TVの音しぼってやろうか?
「別に聞こえていても集中できるから、いいっす」
自習室を日曜日も開けてあげようか?
「いや、日曜くらい自宅で勉強できるんで、いいっす」
ここの部分、みんな分かりにくいところだから、もう一度教えてやろうか?
いや、復習終わってるんで、いいっす!

もちろんこれで結果が出てなければ怒られるでしょうけれど、姿勢としては超能動的でカッコいいですよね。
一度断ってみましょう。そして、素晴らしい結果を出してみましょう。
それが本当の「自立」というものなのだと思うのです。それが出来たら、超カッコイイ!
それだけ、先回りして、大人の上の行ってますってことですものね。

いっつも大人に先手を取られているばかりじゃダメですよ。
宿題やったの?
「あ、もう終わってるから遊んでんだけど?」
ってほうが気持ちいいと思いますよ。

大人の先回り、誘いを一度断ってみよう!
もちろん、結果も期待をいい意味で裏切らないと意味ないですけどね!

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