コアなファン

以前、海外投資新聞というメディアから簡単な取材を受けたことがあります。
コチラ↓
http://media.yucasee.jp/offshore-news/posts/index/1076

何でだろうと思いました。
「海外」
でも
「投資」
でもない私に話が来たのは不思議だなぁと思いつつ(笑)

ただ、その取材の中で、「コアなファンをつかんで行く戦略を取っている」という話をしました。そりゃ起業したばかりの若者ならば、マーケットを広く取ることでお客さんがいっぱい来るような錯覚に陥ります。しかし実際は、裏付けも責任能力もないような会社とおつきあいしてくれるところなど皆無に等しいわけで、それが「現実を知る」ということでもあります。ですから、地道に、自分を信用してくれる人を探して、地道に実績を積み上げて行く。地道に。地道に。これが王道だと思うのです。

ですから、たくさんいる「一般客」を完全に無視して、零細である我々を信用してくれる方々を徹底的に大切にして行くという作戦ですという話をしたのです。それは今も昔も変わらない意識。

「は? 桜学舎なんてあんな個人塾みたいなところ信用でないっしょ?」
「あそこ偉そうだから、気に入らない」
「たいした実績もないくせに、大丈夫なんか? あんな塾?」
「手作り感満載でダメだわ。やっぱ大手じゃないとしっかりしてないわ!」

という人が9割がたなんだろうと認識しています。飲食だってどうしても大手のファミレスの安心感にはかないませんし、1軒でやってるオーナーシェフの店は、いくら行列を作っていいたとしてもちょっと入るのに勇気が要ります。わかります、それは本当にそうなんです。そしてちょっとしたことが気になるんです。店員の態度が悪いとか、忙しそうで相手にしてもらえなかったとか、自分だけサービス品がついてなかったとか、お目当のものが売り切れていたとか、そんなことですぐ「あの店はダメだ」って言われちゃうんです。規模が小さな店って、常にそういうものなんですね。

零細塾を20年も経営して来ると、こんな経験は山ほどします。大手の塾に勤めたこともあるので、その違いは一目瞭然。看板の力ってこんなに違うのかと実感したことも多々ありました。

いや。
そんな話をしたかったのではありません(笑)

コアなファンという話から、昔、もう十数年前、何でなのかどうしてもウチの塾に入りたいと言って来た方がいたことを思い出しました。
高校3年生。
今みたいにネットが発達している時代でもないので、せいぜいチラシ程度の頃。どこでどういう情報を得たのか、もう絶対という感じで来られた方でした。

実は絶対と思っていたのは本人ではなくお母様でした。
本人は部活三昧で、実は入会の面談の際に一度事情があって入会はお断りしたのですが、どうしてもというお話だったので、では本人が自分で入会書類を持って手続きに来たら、ということに。

翌日、本人が手続きに来たので、まぁ一度言ったことですから入会を認めました。で、その子が帰った後にウチの塾生が来て、
「昨日の子、来たんですね」
って言うので、入会条件の話をしたら、 
「入り口のところまでお母さんが来てましたよ?」
って。口あんぐり(笑) そこまでしても入れたかったのか…

でも、本当に今だに不思議なのは、塾銀座と言われるようなところでやっていた千葉の時代。どうして何が何でもウチだったのだろうと。その謎は今だに解けません。お預かりした1年の中で、今思い返すだけでもいろんなことがありましたが、どうして絶対ウチに入れたかったのかは、なかなか聞けないで終わってしまいました。無事、リハビリ系の大学に進学したのですから、まぁそういう「必ず大学に入れてもらえる」 と思っていただいたのかも知れませんね。

昔から「コアなファン」を集めていたのでしょうね。
もちろん今はその当時の倍ほどの規模になっているので、体質も様子も変わって来ているのは事実ですが、意識は変わりません。零細であることには変わりませんから、小さな塾のいいところを徹底的に出して行くしかないのですが、生徒数が40とか50でやっていた頃とはだいぶ責任も求められることも変わって来て、自分自身でもビックリしています。

でも、私はメジャーになんてなれない人間です。インディーの中でどう生きるかという人間。とてもとても「メジャー様」にはかないません。何十教室もある大手塾さんや、どこでも均質な教育が出来るFC加盟塾さん、独自のメソッドで強烈な実績を持つ有名進学塾さん、巨大ファンドのバックがある塾さんなどには全く敵わない、街場のインディーです。

だからこそ、自由でもあり、小回りもきき、明日からシステム変更が出来るような対応が可能なのですが、それを規模が大きくなっても持続できるかというチャレンジを続けています。
どこまで続きますやら。
頑張らねば。

このところ、教え子の入籍や結婚の話が続くので、ふと昔を思い出すことが多くなりました(笑) 

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