強い者が勝つのではない

おさむらいさんたちのインタビュー。
ご覧になりましたか?

私は、「蟻が象を倒す」という話がこの上なく好きです。
ですから、どうしてもスポーツ観戦では苦しい思いをすることが多いものです。
しかし、エリートではない雑草軍団が、努力に努力を重ねて常勝軍団を倒すという話は、実に痛快であって、どんな人間でも努力さえすれば栄光を手に出来るというサクセスストーリーは、我々普通の人間にとっては「希望」であり、そうでなければやってられないと思うのです。

そんな私なので、プロ野球で言えば、セは阪神、パは千葉ロッテ。夢はマリンスタジアムで阪神対ロッテの日本シリーズを見ることだ…と公言してきました。ハレー彗星を見るよりも大変なんだと言い切っていました。

ところが、実はこれは実現してしまいました。2005年、千葉ロッテマリーンズが阪神を4タテして優勝したあのときです。さすがに私は怖くなったのか、第7戦のチケットを持っていました。もちろんもっと早いチケットも入手できたのですが、一番もつれた時の面白い試合を見たいという欲が出たのでしょうか、7戦を買ったのです。結果は4戦で優勝決定… 夢は続きとなりました(笑)

そんなことですから、東京都民の皆さんを敵に回すようで申し訳ないのですが、私は巨人が嫌いです。そして、巨人ファンも嫌いです。強い者が、金にモノを言わせてスターばかり集め、勝つというのは至って当たり前。何が面白いのでしょう? スターばかり集めても勝てないところが、これまた痛快だったりしますが(笑)、とにかく強い者が順当に勝ったところで、そこにドラマもサクセスストーリーも無い、つまり「救い」の無い予定調和しか無いじゃありませんか。

そして、その「強者」を応援するという傲慢さ。これが巨人ファンを嫌う理由です。「強きを助け弱きをくじく」「寄らば大樹の陰」「長いものには巻かれろ」的な発想が嫌いなのです。


あ~、あまりマジメにとられると困るんですけどね(笑)
あくまで、シャレですから(笑)

で、話を戻しますと、WBCのおさむらいさんたちのインタビューで、レイズの岩村選手が非常に印象的なことを言いました。

『強い者が勝つのではなく、勝ったから強いんだ…』

私はこの言葉に胸を打たれました。
そうですね。
強い者が勝つ。
こんなことは当たり前なのですが、それじゃ何も変わらないし、何も逆転できない。勝てば官軍とは言いませんが、「勝った」という結果を出した者が勝者なのであって、裏返せば、弱いと思われていた人間でも、勝てば「強かったね」という結論になるわけです。つまり、下馬評などは関係ないわけで、他人の評価も一切関係なし。そういうことなんですね。

これは受験でも学習でも生き方でも何でも同じなんでしょう。
最初から強者に怖気づいたり、卑屈になったり、諦めたりする必要はないのです。チャレンジ精神が大切。立ち向かっていく気迫も大切。ただし、強者は強者として厳然と存在しますから、強者を倒すだけの地道な力の蓄積は重要でしょう。

WBCで言えば、強者はアメリカ。
アメリカが2大会連続で優勝決定戦に出られないという痛快さ。大笑いです。しかし、アメリカが弱いわけではありません。強いのですから、アメリカに勝つにはマトモにぶつかってはいけません。

アメリカの、強打者をそろえた大雑把な野球に対して、日本はスモールベースボール。バントして走者を送り、犠牲フライで点を取り、小さな得点を積み重ねていく野球。しかし、強者を倒すには、ゲリラで行くしかないのです。同じ土俵に上っていはいけないのです。

現役生。
特に学習の遅れている生徒。
この子達が大学を受験しようとしている場合、上位校(強者)の生徒と同じ予備校に行き、同じ参考書を使って、同じ学習をしていても、彼等には到底勝ち目はありません。なぜなら強者の土俵に上がっているからです。

強者に対してスモールベースボール。
学習だって、受験だって同じことです。
やり方を変えなければ勝てるわけがありません。

勝ったから強いんだ。
その通りになれるよう、私達は全力で今年も受験生を応援して行きます。
そして、一発逆転を狙う生徒。挽回組。そういう子たちを、イチからじっくり指導して、岩村選手が言った言葉の通りの結果が出るよう、頑張ります。

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