今、6年生の中学受験生が4名います。皆、揃って算数が苦手。というか、一番引っかかる科目ですが、やはり案の定という感じで皆苦戦中。
それを見込んで、今年の夏期合宿は「算数特訓」合宿にして、参加した2名はひたすら算数のプリントをこなしていました。朝っぱらから複雑な計算をやらされたり、「通過算」をなかなか「通過」できなかったり(笑)、平均算、比、面積、演算記号など、とにかく様々なタイプの問題をこなしました。
その中でも、面倒なのは「線分図」を書いて考える問題と、比の計算式。
先日生徒が苦戦していたのは、こんな問題でした。
問 今母は45才、子どもは15才です。母と子どもの年齢比が7:2であったのは、今から何年前ですか?
これを、さっと計算できるお父さん・お母さんは、相当な勉強家でしょう。「え? これだけで分かるの?」と、解法の手がかりもなかなかつかめないというのが「普通」のご父母だと思います。でも、中学入試って、こんな問題が出るんですね。しかもこれはかなりの基礎編。
さて、これを線分図に表してみると、
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 45才  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
母│———│———————————————–│
?才 7
/ ̄ 15才  ̄ ̄\
子│———│————-│
?才 2
こんな感じになります。?才のところが求めたい部分になりますね。「何年(才)前ですか?」という問題ですから、さかのぼる年数は母も子も同じです。
この問題は、ただこれを眺めていても答えが出ないのです。母と子の比の差7:2から、1あたりの数(年齢)を割り出せば答えに近づきます。つまり、
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 45才  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
母│———│———————————————–│
?才 7
/ ̄ 15才  ̄ ̄\ / ̄ ̄ ̄ 30才  ̄ ̄ ̄ ̄\
子│———│————-│——————————–│
?才 2 5
と、ブルーになっているところを考えればよいのです。母子の年齢の差から、この5にあたる部分が30才であることが分かります。ということは、比1あたり6才という計算が成り立ちます。
すると、子の2は、2×6才=で12才。子どもは現在15才ですから、12歳だったのは、15-12=3年前ということになります。
3年前、母親は42歳。
42:12=7:2となりますね。これが正解。かえって中学の文字式などの方が簡単なような気がしますが(笑)、こういう問題をお子さん達は解かねばならないのです。気付いたり、分かれば面白くなるのですが、なかなか小学生には大変なようですね。
また、比の計算式も、
3:4=9:◇
を、中学以降なら◇をxとして、内項の積=外項の積の公式どおり、
3x=36
x=12
とするのですが、小学生はこれが使えません。また、マイナスの概念も使えないので、36÷3と計算させねばなりません。また、移項する上でマイナスが出てしまう場合は、例えば両辺が+と+、-と-引き算なら、+と-なら足し算…というような教え方を使わねばなりません。
小学生の場合、教え方にも制約があるので面倒なところです。
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