受験を終えた子が出始めてきました。高校の推薦受験や中学入試において、第一志望に合格した子が何名も出たのはうれしい限りです。それがまた昨年の合宿で苦楽を共にした子が多いので、私達の喜びもひとしおです。
受験が終わった子には、あまり気持ちが冷めないうちに合格体験記・感想文を書いてもらっています。みんなどんなことを書くのか楽しみですが、ほとんどの作文に共通する傾向があります。それは、皆、面白いほど揃って「お父さん、お母さん、ありがとう」と書くのです。
普段、なかなか親の言うことなど聞かないというのが小中学生・高校生名のではないでしょうか? 大きくなるにつれて憎たらしくもなり、生意気なことも言い出して、「手に負えない」「始末が悪い」などと思うような子供ですが、その実、表には出しませんが、親への感謝をこんな機会で表現するのですね。
昨夏の合宿での作文でも、「お父さんやお母さんが言っていたことが分かりました」と、涙モノの作文を書いた子がいました。反抗期ですから、親のいうことを聞いていないように見えますし、そんな態度をとりますが、ちゃんと親が言ったことは聞いているのですね。
一番良くないのは、「どうせ聞かないから」と、子供に何も言わなくなってしまうことです。親の愛は「無償の愛」、だから尊いわけで、それを子供もちゃんと理解しています。ゆえに、いざという時にはちゃんと感謝の弁を述べるのです。
こういう親の愛に感謝する機会というのは、人生の節目か何かキツい体験をした時なのではないかと思います。人生の節目とは、受験や就職、結婚など。そしてキツい体験とは、正にこの「受験」のような経験です。
自分の学習や進路選択で精一杯になっている時に、我がことのように励ましてくれる親。支えてくれる親。その存在に気付くようです。キツい体験をするからこそ、その愛に気付くわけで、逆に「子供に苦労させたくない」と思って楽ばかりさせていると、親の愛の大切さにも気付くことがないのです。ボンボンや有名芸能人の子供などが、何度も何度も警察のご厄介になったり、親を泣かせたりするのは、逆に恵まれすぎているからで、厳しい体験をしていないからなのだともいうことが出来るでしょう。「かわいい子には旅をさせよ」とはよく言ったもので、先人の知恵は素晴らしいものであると再認識します。
中学受験が終わり、合格体験記を書いた子。ご多分に漏れず、「お父さん、お母さんありがとう」と書きました。くじけそうになった時に、「受験が終わったら楽しいことが一杯あるよ」と励ましてくれた親御さん。本当にお子さんは感謝していますよ。そして、本当に受験してよかったとも、そして受験をさせてくれたことにも感謝しているようです。
いい子に育てたいなら、孝行息子・娘にしたいなら、そして何より、人に感謝できる立派な人間に成長して欲しいなら、しっかり勉強させること、そして厳しい体験をさせることが何より大切です。
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