算数。
特に図形の問題はその子の思考が問われます。
Aを求めたい場合でも、最初に全体を求め、そこからBを求めることで、結果Aが導き出される…なんてことだって多々あります。
上記の図形で、EBが2センチ、CDは6センチ、三角形AEDと台形EBCDは面積が同じという指定があった場合、ABは何センチか?という問いがありました。今日の小5算数です。
ああでもない、こうでもないと、いろいろな可能性を考えねばならないわけですが、どうも今の小5は「考える」ということが苦手のようです。苦手というか、「分からない」とすぐ言うのですね。
チョット考えてすぐに答えが出るのを「良し」とする教育が学校で行われてきました。ゆとり教育です。考えることより、調べたり人に聞いたりすることで解決できればいい… それがゆとり教育の根幹だったように思います。とにかく調べろ、分からなかったら聞け。
そんなことでは「思考力」などというものは身につかないだろうと言われ続けてきましたが、今やその傾向は全小学生にしっかりと浸透しています。考えないんですね。また、考える「手法」が全く身についてないわけです。試行錯誤すると、すぐにイライラして投げ出します。
上記の問題で言えば、三角形AEDの面積を求める式と、台形EBCDの面積を求める式を考えてみればいいわけです。
三角形AEDの場合、底辺×高さ÷2ですから、
AE × BC ÷ 2
となります。数値はまだ分かりませんね。
台形EBCDの面積は、(上底+下底)×高さ÷2 ですから、
( 6 + 2 ) × BC ÷ 2
となります。
ここで気づくこと。2つの式を並べてみると、
AE × BC ÷ 2
( 6 + 2 ) × BC ÷ 2
と、 × BC ÷ 2 が全く共通です。ですから、AEが( 6 + 2 )であることが判明します!(今日は生徒達も、「あっ!そうか!」と反応していました)
したがって、AEが8センチ、プラスEBの2センチが加わりますから、ABは10センチというのが正解になります。
台形の底辺を求めるのに、三角形の面積を求めたり、台形の面積を求めてみたり… でも、そこから突破口やヒントが出てくるわけですから、いろいろやってみれば気付きがあるはずなんですね。それを白紙でもってきたら何にもならないのです。
算数、特に図形は「多面的に見る」「様々な角度から物事を見る」訓練です。マルチな人間に、そして多様な価値観を持てる人間になるために、是非ものごとを様々な角度からとらえる練習をしましょう。
そして、少しは粘れ!
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