「キハ52」をご存知でしょうか。
これで分かる人は、かなりマニアですね(笑)
実はコレ、旧国鉄のディーゼルカーです。キハ20系という系統に属していて、私が高校生の頃には、全国で活躍していた車両です。キハ52は山岳地域の急勾配路線用に開発された、エンジン×2の車両です。懐かしい姿、そして向かい合わせのシート、窓が開いて、ガリガリいいながら走る、もう、絵にかいたような、誰でもが思い浮かべるローカル線の車両です。
相当な年代ものですから、淘汰が著しく、JR東日本にはもう定期列車はありません。最後の活躍の場はJR西日本の大糸線でしたが、こちらも先ごろ新型車両に置き換わり、JRからは姿を消してしまいました。
この大糸線、昨年の夏に訪問して、3種類のカラーで走っていたキハ52のうち、ブルーの横須賀色で走っていた車両に乗ることが出来ました。懐かしく、夢中になって写真を撮ったりして、約1時間の旅を満喫しました。付き合ってくれた妻にも感謝。
最終運転の際は仕事で行けませんでした。心残りだったのですが、何と! これまた故郷・千葉のいすみ鉄道に1両譲渡され、運転するというではありませんか! しかもそれが、私の乗ったブルーの車両! 今春、いすみ鉄道に訪れた際は、沿線の菜の花の量に感動したものですが、今年はコレにキハ52! マニアは垂涎ものです。私もカメラかついで通うことになりそうです。
キハ52って何さ?
↓コレでございます。
http://www.isumirail.co.jp/topics/101213.html
新しいものをどんどん使うことも重要だと思います。しかし、地方の鉄道にとって、実は財産はこういう「逆転の発想」で得られたものだと思います。やはり、我々同様、メジャーではありませんから、メジャーの土俵に乗ってしまった時点で負けが確定します。決してメジャーの土俵で戦わない、そんな戦略が必要なのですが、世間を見ると、「大手に負けない」「サービス向上」そんなお題目ばかりなような気がします。
今年、桜学舎は「サービスしません」というチラシを打ちました。実に横柄なチラシですが、それにはきちんと意味があります。サービスしない理由があるんです。それは、「親切でない」と同義ではありません。逆転の発想。それがかえって特徴になるんですね。
いすみ鉄道の社長の考え方も、近いものがあると思います。もちろん豊富な資金があるわけではないという切羽詰まったものもあるのでしょうが、この方の発想は、かなり私と方向性が近いような気がします。新しく、きれいな、サービス向上につながる車両を税金で投入してもらうよりも、年代物のボロキハを動かす。それがかえって全国からファンを集めることになる… 今の車両より輸送力も上がる… いいじゃないですか。個性があって。
出来ることなら、全国のボロキハを集めまくって、博物館状態になって欲しいとも思いますが、それは資金的に大変でしょう。でも、ついにやってくれたなぁ…と、私は嬉しく思いましたし、社長に敬意を表したいと思っています。
ささやかですが、私もWEBから、キハ52サポーターに申し込みをさせていただきました。年会費 5,000円は寄付金のようなもの。5000円以上楽しませていただくことになるでしょう。ですから、ご寄付です。
ご興味のある方は、大多喜駅、国吉駅、大原駅、WEBショップでお申し込みが出来ます。特典もあるようですよ。
しばらく、千葉通いが始まりそうです。来春からの運行で、ブルーではなく、朱色+クリーム色の、国鉄標準色に塗りなおしての運行だそうです。楽しみです!
なお、千葉は久留里線でも国鉄標準色の車両が運行されており、今度は栃木の烏山線でも国鉄標準色のキハ40(これは違和感ありあり)が運行されるそうです。リバイバルブームなのかもしれませんね。
この記事へのコメントはありません。