読売新聞に連載されていたものが書籍化されました。親が読むと、とてもショックを受けると思いますが、これは是非是非お読み下さい。
携帯を常に気にしている子は多いものです。特に私が気になるのは中1~2の女子。この書によれば、小学生でも大変なことになっているようですが、それでもまだ少数派でしょう。
中3になると、ちょっと考え方も大人になるようで、それほど携帯ジャンキーになってはいないように感じます(地域性もあるかもしれませんね) 高校生なるとまた雰囲気は変わりますが、それでもある程度の自制を持っている子が増えてくるのではないでしょうか。もちろん、負のスパイラルから抜け出せなくなり、泥沼化してしまう子も高校生に多いのでしょうが、少なくとも私たちの周りにはいないように感じます。感じているだけですが…(笑)
ウチの高3女子に、携帯を持っていない子がいます。いまどき珍しいのですが、自分の意志で持たなくなったと聞いています。持たなくても、時々不便を感じる程度で、そんなに困らないのですね。
中学生あたりが一番多感で、一番トラブルが多く、一番人のことを気にする年代でしょう。メールの返信が遅いとむかつかれたり、裏サイトで話題になっていることに乗らなければならなかったり… いじめっ子が一瞬でいじめられっ子になったり、しまいには援助交際、薬物汚染にハマっていく… 本当に怖いです。
ただ、こうも思います。
「暇だなぁ…」
確かに暇なんです。そりゃ、部活だ、学校だ、塾だと、スケジュール的には忙しいんですね。しかし、中学生全体に流れる、ゆる~い感じ。これは明らかに十年ほど前の学生たちとは異なる空気感です。ゆる~いんですよ。空気が。
部活もテキトー。気合の入っている顧問などは面倒くさいし、じゃ、部活どころじゃないといって受験勉強をするかといえば、勉強なんてウザいと言います。授業なんて聞いてない… 「だって、てきとーに高校行けるでしょ?」 こう言っちゃう子がいるんでしょうね、きっと。
もちろん、本気でスポーツをやっている子もいます。しっかり勉強している子もいます。それは個人の問題で、私たちもそう真面目に努力している子を多数知っています。が、全体の空気ですね、これがゆる~いのも、これまた事実なんです。忙しいけど。
すると、ベースがゆる~いところに、忙しいだけのスケジュールが乗っかりますから、こういうものがかなりの確率で「ストレス」に変容します。ですから、今の子は、以前よりもかなり多くのストレスを抱えているように感じます。それってストレス?と思うようなものも、ストレス化しているんですね。
全く今の子は…と言うのは簡単ですが、ベースが違いますから、大人の感覚で子供を非難しても始まりません。教室でのちょっとした衝突や、「意見の違い」程度のことも、掲示板にウザいと書かれたり、友達を巻き込んでの騒動になったりします。その掲示板で罵詈雑言の言い争いになれば面白いのですが(私はそういう武闘派です(笑))、大抵は「いい子」なので、悩んだり、ショックを受けたりして、酷いと学校に行けなくなったりしますね。かわいそうです。
ネットは悪意が渦巻く世界。いい面もあるんですが、本能剥き出しの悪意が渦巻く世界でもあります。私もネット上で戦った経験が何度かありますが、出てこいよ!と実世界での戦いを挑むと、実際出て来れる人間などいません。匿名と、PCや携帯の画面の中だけで、自分の生活に影響が無いと思っているが故の悪意。2chや様々な掲示板などは見るに堪えないものもあります。
「ググレカス」という言葉をご存知ですか? ネットで検索すれば容易に解決できるようなことを質問する人に対する言葉。「グーグルで検索しろ、カス野郎」という意味ですね。私も最近、簡単なことを聞いてくる人に、「ググれ」と言ったり、ある会合で、ネットでは当然のように話題になっていたようなことを初めて知ったように語る人々に、「何でググらないか不思議」と言ってしまいました。失敬な事なんですが… でも、それほどネットは「当然」なものになってきています。
大人ですらそんななのですから、子どもがそれに触れるのを避けることは出来ないはずです。携帯を持たせない、ネットを触らせないという方針を取っている自治体もあるそうですが、それは結局ネットに触れる年代の先送りでしかありません。ネットを正しく使えるようになるための方策ではありませんね。
それ以前に、大人たちが携帯やネットの知識が無さすぎるというのも問題です。今ネットは実名化が進んできています。今話題のFacebookは原則実名公開。子どもは平気でプロフなどにも自宅住所やメアドを公開してしまっています。私が使っているmixiのプロフィールも、若い子は出身校や自宅を公開し、マイミクの数をとにかく増やしています。大人はそういうことはしませんね… 会ったこともない人とつながるなんて、怖いですから。
子どもに携帯云々、ネット云々というより、まず親がこれらについての勉強を。そのためには、その怖さをもちゃんと伝えられなければいけませんね。そういう意味で、是非読んでいただきたい1冊です。
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