マッチポンプ。
「マッチで火をつける一方、ポンプで消化すること。意図的に自分で問題を起こしておいて、もみ消すこと。自作自演。」
まず、「マッチポンプ」という言葉が今の子には分からなかったようです。もの凄く新鮮な顔をされました。あ、大学生でもですよ? 「始めて聞いた言葉」という感じでした。じゃぁ、「ロンパリ」なんて言葉も知らないのでしょうね…
さて、なぜ「マッチポンプ」かというと、この本が面白かったよ…と講師たちに紹介したからです。世の中、ほとんどマッチポンプで動いている… 経済など、マッチポンプなんだ… ちょっとシニカルかつアイロニカルではありますが、ある側面から見れば真実。
確かにね… と思うことが多い本でした。
童話形式で語っているので、軽く読めるのですが、結構ブラックな部分もあって、私などには刺激的で楽しかったのですが、あまりに純粋な方だと、ショックが大きいかもしれません。
保険業界の話、不動産業界の話、税理士の話、ポプラ社やユニセフなどが皮肉タップリに書かれています。「ああ、あの話か…」と分かるのが面白いのですが、ちょっと子どもには早いかもしれませんね。
こういう、世の中をナナメから見た態度というのは、実に私の姿勢に合っています。私自身がひねくれ者で(笑)、実に「ナナメからものを見る」タイプ。でも、私が最も苦手な「純粋マッスグ君」よりは、騙されたり引っかかったりすることが少ないように思います。何でもアタマから信じるのではなく、「本当かよ?」と疑って見てみる、真実を確かめてみたり、調べてみたりする。
こういう精神を、「批判精神」というのだと、私は高校の先生に習いました。物事は「批判精神を持ってみなければいけない」と。これが、聖書科(ミッションスクールだったので、聖書科という科目がありました)の先生のお言葉だったのが実に印象的でした。「神を信じなさい」というのではなく、「批判精神を持ちなさい」と言われたそのS先生を、私はいまだに尊敬しています。
いろいろな要素、つまりプラス面ばかりをみて、マイナス面に目をつぶる、見ないようにするような、そんな「まっすぐ」な人と、幾度となく出会ってきました。塾ではなく、プライベートでも。そんな彼らが、悲しい思いをしているのも、随分と見てきました。物事には、表があれば必ず裏がある。表裏一体。それが「世の中」というものなんだと、私は思います。
「すぐ物事の裏ばかり見ようとして、ひねくれている!」
と私を批判する人もかつてはいました。
いや、違うでしょ?(笑)
都合の悪いことに、目をつぶっていませんか? 見ないふりをしていませんか?
世をナナメから見るとは、自分にとって都合の悪いこともきちんと見るという「勇気」を持っている点で、「純粋マッスグ君」よりはるかに優れていると思います。
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