叱られる

 このところ、私に叱られている生徒が数名います。
 私は、塾はサービス業だなんて考えていません。あえて言えば、保護者に対してはサービス業だと思いますが、それは「教育サービス業」であり、親御さんが出来ない教育の一部分をアウトソーシングして頂いていると考えています。したがって、「親ならどう言うだろうか?」という判断基準のみで子どもとの会話を行います。

 学習塾の中には、「生徒を叱ると退塾してしまうから、叱らないように」というマニュアルが存在する塾が数多くあります。企業的な塾になればなるほどそういう内部規定があるようです。ですから、躾の悪い子がいたとしても、注意もせず目をつぶることが多々あるようです。

 しかし、私はそう考えません。親御さんだったら、これ、放置されたら困るだろうなぁ… そう思えば当然叱ることなりますが、このところ叱られている子は、まさにそういう子達。

 「どうしてオマエはこんなことも分からないのだ」
 「こんなものが出来ないのはバカだ!」

などと理不尽なことは言いません。むしろ、出来ないのは仕方がないと思っています。

 しかし、今教えたこと、一度習ったこと、以前出来たことなどを「出来ない」「知らない」なとどいうのは論外。私の逆鱗に触れることになります。
 考える問題で点が取れていないのはさほど叱られはしませんが、単純に覚えればいい、知っていればいい、時間をかければいいという学習で点数が取れていなければ、それも叱られる原因となります。

 最近よく叱られているのは、英単語テストや漢字テストを受験する際に、「ちょっと時間を下さい」と言って、そこで暗記を始める子。テスト勉強は家でやってこいと言っても、やってきません。こういう子は滔々とお説教。なんのためにテストをやっているのかとか、家で勉強する意味とか…(笑)

 さらに、単純に努力すればいいだけのことをサボる子。社会科の学習など、単に「知る」ことが大切であり、「なるほど、こういう理由でこういうことが起きたのか!」」と理解・納得すればいいだけの話。例えば、「大化の改新」が文脈や前後関係から、「たいきのかいしん」「たいくのかいしん」「たいけのかいしん」「たいこのかいしん」などと活用し、どれが正解なのかを考える… なんて問題は無いのです。その場で考え、判断する問題の率は非常に少ない科目です。ゆえに、社会科の点数が取れないのは、単純に「かけている時間不足」=「努力不足」ということになります。これ、叱られる対象です。

 そして、「アリバイ作り」の勉強しかしていない子。
 これも見抜かれ、お説教の対象です。
 
 いますよ。
 ひとまず、宿題の解答欄をとりあえず埋めてくる子。実際は何も分かっていない。
 問題自身をよく理解していない子。何のために答えを出しているか分かっていない。
 
 解答を持っているテキストを授業でやり、
 「間違えたところをもう一度やり直してくる」のが宿題だった子がいますが、解答欄に、解答集の答えを丸写ししてきただけ(しかも全部終わっていない)という子。一体何をその宿題で身に着けたんでしょうか。 問題も見ず、解答欄にひたすら正答を書きこんで「宿題終了」 これをアリバイ作りと言わずして何といいましょうか。

 作文課題で、ほぼ大半を課題文の要約に費やす子。自分の意見が無い。其処までは許しますが、同じ指摘をもう半年以上されているのに、とにかく直さない。一体どういう了見でしょう。作文の赤ペン添削の文字は全くと言っていいほど読んでいない。そりゃ叱られます。

 ビシッと言われて、ちょっとビビっている子もいます。
 しかし、目が覚めた子もいます。
 時々は私が授業を見て、喝を入れることも重要だろうなぁと思います。

 普通に、当たり前のことを当たり前にしていれば、私に叱られることなどありません。私に突っ込まれないように頑張って欲しいと思います。

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