ただ抱きしめればいい

 中学受験生が、一番大変な時期になってきました。
 気持ちが一番不安定な時期です。小さな体とアタマで、いろんなことを抱えなければいけない、とても大変な時期なのです。

 でも、一番追い込まなければいけない時期でもあります

だから、かわいそうですが、甘いことは言えません。ここで手綱を緩めると、落ちてしまいますから…

 今日も泣いている子がいました。泣くことは珍しくない子でしたが、算数が出来ずに80分泣き通しでした。しっかりしろと慰め、なだめ、励まし、叱り…

 でも、泣いたら思考が止まるんですよね。泣いて
いた時は、分数の計算すらできなくなっていました。

 志望校が決まって、でもちょっと届かなくて…
 焦りと不安が涙になります。
 わかるんだけどね、今泣いちゃダメな
んだな。
 じっくり考えれば、カンタンに出来る問題。
 でも、それが焦り、不安で全然閃かなくなっている…
 オイ、こら
!という問題もかなりあります。ちょっとパニクってるんですよね

 そんな時、ご父母も焦って叱ってしまうことがあるのではないでしょうか。
 励まさなきゃ…と、一生懸命どこが悪い、ここを直せとお説教してしまうご父母もいるでしょう。この時期は、世間では家庭教師の稼ぎ時と言われています。こんな状態になったお子さんを、少しでもフォローしようと、空いている時間に家庭教師を付けたりする家が非常に多いのです。

 しかし、ほとんどは気休めです。
 そこじゃないんです、ポイントは。
 答えは、「黙って抱きしめてあげる」なのです。

 お子さんは、弱っているのです。出来ないことに打ちひしがれているのです。絶望感で一杯なんですね。そこへお説教やらアドバイスやら叱る…というのは、もう逆効果でしかないのです。これらは全部塾でやっていますので、ご父母の役割は、抱きしめてあげることです。傷ついた羽を休ませてあげることなのです。心の休息なんですね。

 「何も心配しなくていいから、一生懸命頑張れ」
 「取って食われるわけじゃなし。大丈夫だよ」
 「結果が出た後のことは、出てから考えよう」
 
 そんな言葉をかけてあげて下さい。
 一緒にお風呂にでも入れたら最高です。
 子どもは、愛情をタップリ補給したら、また頑張るものです。

 嫌な役回りは塾が引き受けています。是非、ご父母は、ご父母にしか出来ないことを!

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