ずっと見てちゃいけません

子どもをずっと見てちゃいけないんだなぁ…と思う場面が先日ありました。

「お母さんが私のやることなすこと全部調べ上げて文句言って来る」「ずっと親の監視にあっているみたいだ」「もう疲れちゃったよぉー」

こんな声を、先月だけで5~6人から聞きました。いろいろなケースがあるので、一概に何がいけないとか、何がダメなんだとかは言えませんが、一つの共通点を見つけたんですね。それは、親御さんがずーっとお子さんを見続けているということです。そういう環境だという告白を横で聞いて、「ウチも一緒一緒!」と盛りあがる生徒たち… ああ、これじゃいけないんだよな…と思う瞬間でした。

これは、親子間の問題だけではなく、夫婦間、恋人間、友人間、そして師弟間も同じです。ずっと相手ばかりを見ている、相手の行動ばかりを気にしていると、必ずやその関係は破たんしてきます。付き合ってすぐに超ラブラブな関係になる恋人たちの恋愛期間は短いものですし、嫉妬深く独占欲の強い奥さんがいる旦那さんは逃げたくなるかもしれませんし(笑)、友達を独占しようとする人は大抵「ハブ」にされます。師弟間でも、自分だけずっと先生に目を付けられていたら萎縮してしまいますよね?これはダメです。

最近の出生率は1.3人程度。つまりかなり一人っ子が多い時代ですが、一人っ子はどうしても親の目が集中しがち。そうでなくとも2人の親が1人の子を監視することになりますから、①反発する②依存する、のどちらかになる傾向が見受けられます。

最初から言っておきますが、子どもは「ウソをつくもの」です。「陰でコソコソなにかやるもの」でして、「サボるもの」「不義理を働くもの」「ヘタレて弱音を吐くもの」「生意気なことをいうもの」なのです。そもそもそういう理不尽な存在なのです。

しかし、だからといってずっと見張っているようでは、ずっと手を差し伸べ続けているようでは、独り立ちも、自分で物事を考えることも、そして帳尻を合わせることも覚えません。「親が何とかしてくれる」「誰かが何とかしてくれる」「何とかなる」と本気で思っている子が結構いますが、それは「過保護」が作る現象なのです。

我が家の犬も、常に一緒にいて、常に自分を見ててくれる「お母さん」にはワガママですが、時々ビシと言われる私の言うことは聞きます。ワガママ言うと、私は「うるせー!」と言ってケージに入れてしまいますが、ちゃんとしていると出してもらえるので静かにしています。「お母さん」には「出して出して」と甘えます。私はずっと彼のことを見ているわけにはいきませんからね… でも、ずっと見ていることが愛情深くて、正しいのかと言われると、「男性」としては「違う」と思います。私だって愛情をかけていることに変わりないのですから。

お子さんのコントロールが出来ていないな? なかなか最近言うことを聞いてくれないな? と思ったら、「構いすぎ」てはいないかと気にしてみると、意外なところに解決策があったりします。どうぞ、子どもの「見過ぎ」にご注意ください。

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