夏休み中に動けなかった反動からか、鉄道オタクの私は三連休中日に、ふと思い立って、三重まで日帰り。
カメラを持ってどこかへ出かけることだけは決めていたけど、まさか自分でも本当に三重まで行ってしまうとは(笑)
ただ、以前からどうしても行きたかった場所。実は名古屋~三重近辺は、いろいろ走ってて面白いのですが、その中でもこの「三岐鉄道北勢線」は乗りたかったのです。
マニアは知っていますが、この北勢線。何と今日本でもわずかしか存在しない「軽便鉄道」なのです。
通常、JR線などは線路幅が1067ミリ。狭軌と言われ、あまりスピードを出すのには向きませんが、これが主流になってしまっています。新幹線や都市部の私鉄は1435ミリ。これはスピードが出る広軌(標準軌)。都電や京王線・都営新宿線のような変則的な1372ミリなんてものありますが、まぁだいたい前2つが主流。
ところが北勢線。何と線路幅は762ミリ。ナローゲージ。幅76センチのレールなんです。ゆえに車両も何もかも小さい! このゲージで現存しているのは、もう少し先の四日市から出ている近鉄の内部線・八王子線と黒部峡谷鉄道のみ。貴重な路線なのです。
私はこの軽便鉄道が憧れで、高校生の頃、ギリギリ残っていた岡山の「下津井電鉄」に2回乗りに行きました。瀬戸大橋観光に乗じて観光鉄道化しようとして失敗し、結局廃線になってしまったのですが、下津井という町もよかったし、あれは残って欲しかったなぁ… 昔は全国に山ほど走っていた軽便鉄道も、もうほとんど残っていません。地方鉄道は厳しい時代です。
北勢線も元々近畿日本鉄道。近鉄が廃止の方針を打ち出した際、何と川を挟んで反対側を平行して走る「三岐鉄道」が路線継承した全国でも珍しい路線。カラーも完全に三岐カラーに変えて、ナローのまま残しています。
ただ、三岐鉄道は地方鉄道の鏡。地域活性化を駅や鉄道でという方針を貫き、全国の鉄道事業者がモデルケースとして勉強しに来るくらいです。北勢線も、①無人駅を含む全駅に自動改札設置②駅の統廃合を徹底③パークアンドライドの徹底④30分ヘッド運転の実現 という改革ぶり。真新しい駅が多かったのですが、2駅を1駅に統合したり、利用客の少ない駅を廃止する、ショッピングモールのあるような場所に駅を新設するなど、とにかく利用しやすい鉄道を造っているという印象はものすごく受けました。
鉄道オタクにも優しいのです。この日行って来た「ねじり橋」「めがね橋」は、文化財にもなっている貴重な橋ですが、最寄りの楚原駅から看板が出ているし、列車の通過時刻表が置いてあったり… 三岐鉄道はいい会社です(笑)
地方の鉄道に乗ると、「何でこんなところに駅が?」なんてことは山ほどあります。それをいっこうに改善するでもなく、そのまま廃線になるケースばかり。自治体の協力を得ながら、駅の位置や設備などを変えて行けば、軽便鉄道だって生き残れるんだなぁ…と、歩きながら感じました。好き嫌いはともかく、我がふるさと千葉にも、いすみ鉄道みたいな路線があります。あれだって元々国鉄木原線ですからね… 全国的にも大変な赤字ローカル線だった訳で… あの社長が言ってました。あるものを廃止するのは簡単だけど、一旦なくしてしまうと作り直すのは不可能。今あるインフラ・財産をどう活用するかを考えるべきなんだ…と。確かに。儲からないから廃止…は簡単だけど、やっぱ復活…は不可能ですよね。
さて、後でカメラで撮った写真を整理します。
帰りに乗ったJR関西線。2両編成という短さもありますが、折り返しの電車の行き先が…… オレ!(笑)
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