情報の発信量

あなたが、初めての焼肉屋さんに行ったとします。
国道沿いの、チェーン店でもない、一軒でやっている焼肉屋です。
店からすれば、明らかに自分が一見さんだと分かります。
店構えは何となく怪しい感じ。どんな人がやってる店かもわかりませんし、メニューも値段も出ていません。下手をすると看板すら怪しい。

入ってみると、何だこりゃ?って怪しい感じ。通された席も怪しい。
勇気を持って入ってみたけど… ああ失敗しちゃったなぁと思いますよね、こういう時。
ちゃんとした肉が出てくるのかな? 一見だと分かっているから、早く売ってしまいたいような肉を出されやしないかな?  ぼったくられないかな? 後でお腹痛くならないかな?… なんて余計なことまで考えてしまいますよね。

でも、そのテーブルに「いらっしゃいませ、山形出身のオーナーが地元の○○牛にこだわって30年、徹底的にいいお肉を厳選してお出ししています!是非お楽しみください」とポップが立っていたら??

メニューにも、そのこだわりがいちいち書いてあって、これがうまいとか、ここが希少部位だとか、地元ではこれが人気だとかあったらどうですか?

出てきたおかみさんが超親切で、ここが美味しいとか、こう組み合わせたら満足できるとか、こっちも食べてみた方がいいとかおすすめしてくれたら?

それまでの「怪しい」という疑いが一気に晴れ、「この店、穴場発見しちゃったかも!」と喜び、リピートしちゃうくらいのファンになったりしますよね? これは何が違うかというと、「情報の発信量」なんです。これがもし何も書いてなかったり、出てくるお肉の説明がなかったりしたら、もう完全にビクビクして怪しんで味なんて全然しない焼肉になること請け合いです。つまり、自分の店の情報や商品に対するこだわり(商品の紹介や情報ではない)などを徹底的に発信しないと、なかなか馴染みのないお客さんを取り込むことはできないということなのです。

実は、これは我々のような塾も同じことです。
初めての方が桜学舎に入ってくると、「何だこの塾?」という顔をして、あたりを見回します(笑) 大手塾やチェーン塾のようにエントランスが整然としていませんから。いろんなものがごちゃごちゃとあって、いろんなものが貼ってあって、なんだこの雑然とした空間は?と思うのでしょう。つまり「怪しさMAX」状態で入っていらっしゃるのですよ。

ここで何にも塾の情報が出てこなかったら? 塾長をはじめスタッフが親切でなかったら?  教育内容について何も資料が無かったら? そんな塾には行かせないですよね? ですから、私たちはひたすら我々の考え方や授業での様子、塾の日常やお子さんの様子などを情報発信しています。個人別の授業内容の報告書や上野桜木通信、ウェブサイトに加え、このブログやTwitter、Facebookなどなどとにかく膨大な量の情報を出しています。

これまた生意気なことを申し上げるので、大変申し訳ないのですが、情報を発信する側は「発信したんだから受けとれよ」という不遜な態度でいますが、我々が情報の「受け手」としての立場を考えた場合、流れてくる大量の情報を不要だと思ったら瞬時に捨てているという事実を忘れてはいけないと思うのです。DMでもTVでもネット広告でも何でも、興味がないものは無視しているか捨てているかですよね? 私のマンションにも毎日多数のチラシが投函されていますが、基本的には備え付けのゴミ箱にポイです。でも、興味関心があるタイトルのものは持ち帰ったりします。それが自分に関係するものだったら尚更です。

生意気ながら、私が「ブログを書いた方がいいですよ」「Twitterをやった方がいいですよ」と勧めた方は他塾や他業種、もちろん「身内」にもたくさんいます。確かにやってくださるのですが、記事が月間5本とか、1日1ツイートオンリーとか、そんなレベルの方が多いんです。それで、「ブログの効果がない」「ツイッターなんて意味がない」と言い出すことがあるんですね。それはつまり、自分が発信した情報を受け手が100%受け取ってくれるはずだという、かなり都合のいい計算をしておっしゃってることなんですが、そんな上手くいくわけがありません。私から言わせれば、そんなちょっとの情報量で、何が伝わるっていうのでしょう?ってなもんです。100の情報を出しても、受け手が本当に受け取ってくれるのは10あったら儲けものです。1とか2でも十分なくらい。

チラシも同じですよね。1~2回折り込みして、「効果がない」と嘆く方が多いものですが、そんな都合よく自分のところのチラシを、自分のところのお客さんになってくださる方が見ているとも思えないわけです。私たちのような「ゲリラ」は、どれだけ情報を発信できるかが全てです。しかも、なるべくお金のかからない方法で。ゆえに、ネットは本当に最大の助け舟になりました。桜学舎はぶっちゃけネットが無かったらこんな風にご支持をいただけてはなかったでしょう。

ただでさえ、小さい塾、小さい店なんて怪しく思われるのですから、そうじゃなくて小さくても「こだわりのオーナーシェフの店」なんだと、ちゃんと「食通」の常連さんに分かっていただくことが何より大事。塾も同じですよね。大手塾さんが安定のファミレスやレストランチェーンであるとすれば、我々は一軒でやってるオーナーシェフの店。だから、こだわりの味をきちんと発信していかねばならないと思っています。

この事例は、子育ての場面でも結構当てはまることが多いと思います。 特にネガティブ情報はお子さんはほとんど聞く耳を持っていないと思います(笑) お子さんの心に引っかかるインデックスをいかに付けられるか、ポジティブな情報をいかに数多く発信できるか、そんなところに応用できるかと思います。

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