ド素人でも出来る

桜学舎の周辺には様々な塾があります。特にお隣駅・西日暮里は開成中高のお膝元ですから、完全なる塾の見本市状態。名の知れた塾は全てあるようなところです。お隣駅と言いつつも、日暮里駅と西日暮里駅はわずか300メートルしか離れておらず、山手線内で一番駅間が短い区間。ですから、私たちも西日暮里までは「町内」感覚。実際、西日暮里の方から通っている子もいますので、同じ町の中に東京中の有名塾が揃っているというような感覚の中で仕事をしています。

某有名大手塾へ尋ねた生徒が、「お宅の近くだと、桜学舎さんがありますね」なんて言われたとか。おお、認知されておる!(笑)変なオヤジがピンク色の塾やってんだろ?くらいは知られているみたいですね。ありがとうございます。まぁ、大手さんとは相当「畑違い」なので、バッティングすることはないのですが、ありがたいことというか申し訳ないことというか、やっぱり大手さんから流れてくるお子さんが多いのは事実。有名な受験進学塾でバリバリやっていけるかと思ったら、なかなかついていくのが大変だったという方が一番多いのですが、次に多いのはFCの塾に行っている方。

実際問題、模試の偏差値を見て、「この学校なら合格できる」なんて言うのは、昨日今日塾を始めたようなド素人でもできることです。ましてやこの情報社会ですから、保護者だって生徒自身だって、ちょっとネットで調べればすぐに分かることです。今や偏差値情報などは「先生」だけが握っているものではなく、誰でもがアクセスできる一般的な情報に過ぎません。

飲食店の情報だって、「食べログ」「ぐるなび」などですぐ検索できるし、行った人の評価がすぐ掲載されるような時代です。一部の人だけが知っている情報というのは本当に少なくなったのです。

模試の偏差値表は、首都圏模試センターのホームページで公開されていますよ。

本当に有益な情報は、「プロの目から見た『判断』」だったり、「こんな子がいましたよという『実例』」、そして「リアルな『評判』」だったりします。やはり一般的な情報はどこまでいっても一般的な情報です。「実際のところどうなんですか?」ということを我々もよく聞かれますが、そこが一番知りたいところなのでしょう? そして、うちの子に合うかどうかという「判断」を求められるわけですよね? それは残念ながら昨日今日塾で働き始めたような人や、塾を始めたばかりで様子も分からないような方ではなかなか出来ないことです。極論かもしれませんが、勉強を教えること自体は学生だって出来ますが、そういう「判断」が塾長の仕事だと、私はそう認識しています。

お子さんの性格に合うか?
通っている生徒の雰囲気は?
勉強がきつくないか、ユルくないか?
本人の希望する部活動があるか?
伝統的か先進的か?
感性が若いか、旧いか?
通っている生徒が楽しそうか、キツそうか?
通わせている保護者の評判がいいか、悪いか?

そういうことが話せるか、判断できるか。そういうところが最近特に求められているように思います。情報が多すぎて、保護者も何を信じていいのか分からないわけですから、信頼できる人が「いい」「悪い」を判断する、それを信じるというところへ来ているのではないかと思うのです。

そんな立派なことをしてきたわけではないので恐縮ですが、それでももう今年で子供達の前に立ち、勉強を教え、人生相談に乗り(笑)、子ども子どもで来て28年になります。残念ながら我々夫婦には子どもがいないので、子育ての苦労は客観的にしか分かりませんが、それでも中3を28年も見てくると、様々なケーススタディが蓄積されてくるものです。さすがに28人のお子さんを育てた保護者はいないでしょうから(笑)、やっぱり親御さんとはちょっと違うアドバイスができたりもするのですね。視点が違うというか…

もちろん、28年前は私もド素人。プロの塾長の塾で鍛えて頂きました。
桜学舎が他の塾と大きく異なるのは、「我が子だったら?」と考えるところではないかと思います。だからこそ、時には塾を変えたり、やめたり、はたまた来させたり、居残らせたりと、私たちの「損得」を嘘をつくことなく度外視して考えるところだと思います。ぶっちゃけて言えば、うちの売上が下がっても、この子には必要だと思えば他の予備校をお勧めしたりもするんです。そんないつもいつもじゃないですよ?(笑)でも、自分軸で物事を考えないようにというのは、桜学舎全体の共通認識なのです。

私たちは、
「うちの子」
という表現をします。
「先生のお子さんは何年生ですか?」
なんて同業塾長に聞かれたりしますが、
「いや、うちの塾生のことです」
と。

意外にも、塾長の中で、自分の塾の塾生を「うちの子」と表現する人は少ないようです。(私の仲間内にはけっこういますが) 塾生はあくまで塾生。よその子。そういう感覚の人も多いのでしょう。でも、桜学舎はちょっと違うのです。うちの子、桜学舎ファミリーの一員なのですね。だから、良いことがあったら本当に嬉しいし、褒めます。ダメな時は本気で叱ります。「うちの子」ですから。人間教育もきっちりやります。挨拶はさせるし、無礼なことは許さないし、誤魔化したり逃げたりもダメです。でも、生徒の話はいっぱい聞きますし、本気でアドバイスもします。その「文化」は、学生講師に至っても伝わっていると思います。

「桜学舎じゃないとだめなんだよなぁ…」
そう言っていただけるように、まだまだ頑張っていくつもりです。ここ数日、卒業生が再度通塾をとリターンしてくるケースがいくつか。他所に行かず、桜学舎へ戻ってきてくれる、こんなに嬉しいことはありませんね。頑張らねば!

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