明神礁

伊豆諸島の八丈島よりさらに南に下ったところに、ベヨネース列岩という岩場があります。

船に乗れない私は、その反動なのか、「絶海の孤島」にとてもロマンを感じますし、やっぱり一度は行ってみたいと思うのですが、どうしてもどうしても船が克服できません。ゲロンゲロンになってしまうので、一生行けないのでしょうが、やっぱり地球上でも稀に見る不思議な場所ですから、やっぱり興味は尽きないわけです。

列岩は、島ですらないわけです。
絶海の孤島どころか、周囲に何も見えない海の真ん中に、ちょこんと岩場が出ているだけ。これは孀婦岩なども同じ感じですが、本当に不思議。

実は、このベヨネース列岩の更に10キロほど東に「明神礁」と呼ばれる場所があります。昔から海底噴火を繰り返してきた場所なのですが、1952年に大噴火を起こし、一時は高さ200メートル近い島が出現したました。粘性の高いマグマを海中から噴出する海底火山なので、噴火が爆発的になるのだそうで、激しい噴火を繰り返し起こす場所でもあります。

公海上の新島は第一発見国が領有を宣言できるため、当時は、米国、旧ソ連、中国、韓国、フィリピンなどの船がよく現れていたそうです。

そんな中、1952年9月。
噴火活動がひと落ち着きしたのを見計らって観測に行った海上保安庁の測量船が行方不明になりました。後に、船の破片や乗組員の所持品が見つかり、船に乗っていた31名全員が噴火に巻き込まれて死亡したことが分かりました。まさに昭和の悲劇。観測に行ったらドッカーンと噴火して巻き込まれたなんて、今ではちょっと考えにくいことかもしれません。ドローンで観測が今では最初かもしれませんものね。

しかもこの明神礁はこの後も激しい噴火をくり返し、結局は一時出来た新島も吹き飛んで、最終的には海の中に消え去ってしまったのです。

まさに幻の島です。
もちろん大事故が起きているので不謹慎かとは思いますが、なんとも謎めいた幻の島。実は明神礁の話は私は母からよく聞かされていて、母もこういうことに興味があったようで、海底火山の噴火などはちょっとワクワクしながら見ていたものです。小4か5の頃、西之島新島ができた時期で、こちらも海底火山噴火が注目されました。その後、三原山の噴火、三宅島の噴火、伊東沖の海底火山噴火など、様々な噴火がありましたが、私はテレビの前に釘付けだったのは言うまでもありません。

そして2017年、つい先日。
再び明神礁で海底噴火の予兆があるとのこと。海面が黄緑色に変色しているところがあって、それは鉄分が多く含まれている証拠なので、すでに海底では小さな噴火・噴出が起きているのですと。これはいずれドッカーンが来るかとドキドキ。気象庁もすでに「噴火警報」を出しています。

あの地域は、ベヨネース列岩のほか、須美寿島、青島など奇島・孤島が揃っています。しかもマグマの噴出口でもありますし。ここだけでなく、実は小笠原諸島の硫黄島沖でも黄緑に海面が変色した海水域が発見されています。富士火山帯の火山活動が活発化しているような気がしますね。

幻の島が浮かび上がるか。
一人コソコソと注目しています。 

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