理屈を教えたいのです。

先日、ある保護者が副塾長に、
 
「うちの子が『塾長の算数の授業で、初めて算数の最初から最後までが分かった。そんな授業は学校でも塾でも初めてだった』って言ってました」

と話してくれたそうです。
久々に、とっても嬉しい話でした。
良かったなぁと本当にしみじみ思いました。
 
でも、すまん!
俺は本当は国語の先生なのだ(笑)
ここ10年ほどは、受験算数だけは教えて来たが、本当はにわかなのだ!(笑)

 でも、国語だろうと算数だろうとひとつ譲れない信念。
それは、「仕組みを理解させる」ということ。分かってもらうということを大事にしています。これはどうしても譲れないところ。
 
私自身も算数・数学は超苦手・大嫌いだったのですが、その理由は「分からないから」であって、分かった問題、解ける問題は別に苦ではありませんでした。分かることが大切だってことは自分でも知っているのです。
 
だから、受験までに時間がないという理由で、「解ける方法」を教えるような真似をしたくないのです。分からなくても魔法のように答えを出せる公式なんて、覚えたところで何になるのさ?って言いたくなるのです。でも、学習塾・進学塾はこういうやり方でゴリ押ししていくところも中にはありますよね? で、解けるようになった、偏差値が上がったということが多いのですが、やっぱり私は、本当に理解しているのかどうかが大事だと思うのです。
 
この前も、食塩水の問題。
 
図や絵、面積図なんて書いて、理屈や仕組みを教えていたのに、一人だけ「お父さんに習った」という表に、「ここに食塩を入れて、ここに全体を入れて、もう一個は割り算すれば正解が出せる」ってやってたんですね。授業聞いてない(笑)
 
ところが問題演習になったところでパターン変えられたり、文章題になって問題が複雑になったり、しまいには混ぜ合わせるものが食塩水ではなくただの水になったら、もう大混乱。わかんないわかんないの連発で、「ちゃんと授業聞いとけ!」と私に叱られていました(笑)
 
お父さんが教えてくれた表は、仕組みや理屈が分かった上での「計算のコツ」でしかないわけで、理屈も分からない子がただ正解を出したいが故に「やりかた」だけ覚えても猫に小判、豚に真珠、宝の持ち腐れなのです。
 
ちなみに、他の説明をちゃんと聞いていた子は、最初は理解するまでに何回か繰り返し教えなければならなかったのですが、掴んでしまえばあとはスイスイ。次から次へと全問正解。それは、今週の小5の植木算の応用も同じだったなぁ。
 
最初から最後まで、ちゃんと全部教えたい。
仕組みを教えて、「そうだったのか!」「そういう理由なのか!」と分かって欲しい。
そういうこちらの思いをちゃんと受け取ってくれる子は、ありがたいなぁと思います。
そして、それで算数が少しでも分かってくれたら、算数アレルギー・勉強アレルギーが解消できたら、こんなに嬉しいことはありません。

しかし、小さいころ大嫌いだった算数が、こんなオッサンになって飯の種になるとは!
御釈迦様でも分からなかっただろうなぁと思うこの頃です。

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