子どもって

私の父は、私が「計算上」(笑)大学2年生になるときに「定年退職」を迎えました。
その事実に気がついたのが高校2年生。
そこから、勉強に手がつかなくなりました。というか、遊びまくっていました。勉強なんてしてませんでしたね。ちゃらんぽらん学生の典型。だって、どうせ大学なんて行けないし。

平凡な公務員家庭だった我が家にはお金がそんなにないこともわかっていましたし、5歳下の弟もいましたので、兄はそんな無茶もできないだろうと思っていました。だから、せっかく大学付属校に入れてもらったけれど、選択としては「国公立大学」に行くしかないと思っていました。でも、致命的に理数ができないし、やりたくなかったので、結局大学なんて行けないなぁと腐っていた時期がありました。せめて付属の大学には上がりたいなぁ、でもお金続くかなぁ?くらいのことを思っていました。

その後、学校であった保護者面談の時に、
「担任の先生に『国公立とか言ってるけど、どう見ても私大文系』と言われ、笑われた」
といって母が帰って来ました。
母も、
「あんたはどっからどう見ても私大文系」
と笑っていました。

「でも、お金が…」
と口にすると、
「その程度のお金くらい持ってるわ。心配すんな」
とあしらわれて、気持ちがスッと楽になりました。以降、友人に誘われて予備校にも行き始め、外部の大学を受験することにして3年生は勉強していました。

子どもが考える「お金がない」と、大人が考える「お金がない」は、1桁とか2桁違うレベルなんですね。大人は子どもが生まれた時点で、18年後に大学受験があることを覚悟していますし、賢い親御さんは学資保険に入ったり積み立てをしたりして将来に備えているはずです。さすがに「無駄なお金」は払いたくないのは分かります。でも、基本的に「生きたお金」であれば使ってもいいと思っているのが「親」というものです。

そこを、子どもは分かってないのです。

子どもは、大人の話もその真意も分かってないことが多いので、「お金がない」=「学費を出してもらえない」という単純直結のお話になるケースがほとんどです。すると、「うちはお金がないから」と口に出して、どうみても無理なのに私のように国公立大学に行こうとしたり、中学生なら理社をやってないのに都立しか無理みたいなことを言い出したり、とにかく「幼い」がゆえに、話が通用しないことが多々あります。

「講習のお金が出ない」
「合宿に行きたいけど無理かも」
「授業を増やしたいけれど親に言えない」

こんなことを言う子も結構います。

「おめーの親は、そんなヤワじゃないから、ちゃんと言え!」
「自分の親、バカにすんなよ!」

そんなアドバイスをすると、後日、

「意外とすんなり行った」
「逆にやる気になったかと褒められた」

なんてケースがほとんどです。
子どもって、何気無い一言をものすごく気にしていたりします。もちろん、本当に家計的に苦しい場合は仕方ないのですが、よく言うのは、

「お金がなかったら、桜学舎には来れてないから大丈夫」

という一言。
大手の集団授業の塾から比べれば、申し訳ないですが桜学舎は高いと思います。個別指導塾の中ではかなり安いと思いますが、それでも塾全体から考えれば安い部類には入らないでしょう。しかも、「無料キャンペーン」なんて一度もやったことがない塾ですから。コスト面から考えて、桜学舎が通塾する塾の候補にも挙がらない方もいるはずです。ただ、これだけ出してもいいと思って来てくださっている方が桜学舎へお子さんを預けてくださっていることを考えれば、やっぱりそんなに子どもに心配されるようなことはないのだと思っています。

そんなことを説明してあげると、子どもも、

「そりゃそうか!」

と、憑き物が取れたようになります。過去、かなりこういう子はいました。
そして今年も何人もいます。この話、もう今年も何ににもしています。
でも、こういう話。なかなか親子じゃ出来ない話なのかもしれませんね。20年以上こんなことをしていると、 いろんなケースの子がいますが、やっぱり20年尽きない話題がコレです。

「親、バカにすんなよ!」
と言えるおっさんもまた、必要な人間であるんだろうなぁと、この頃は「自画自賛」しております(笑)

ちなみに、金の心配をするなと言われた若かりし頃の私。
心配しなすぎて、結局付属校に通っていながら、翌年は代々木ゼミナールの1年生(笑)
受験校の中で授業料が一番高い大学に行き、結果小学校よりも長く通うハメに(苦笑)
内定2社を蹴ってバイト先の正社員になり、その後の転職先で社長急逝により事業を引き継ぐことに。
案の定会社が火の車になって青息吐息。なんとか人様に助けられながら復活して…

むちゃくちゃな親不孝人生になってしまいましたが、これは私の不徳の致すところ。
どーもすいません(笑)

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