人は悲しみを背負って生きている

「…のかもしれないなぁ」
と思って生きることが大切ですというお話。
別に何かあったわけじゃないんですよ?(笑)


だけれども、人って他人には見せない一面があるものですし、そんなこと他人様にペラペラ言うべきことじゃない…ということも多々ありますよね? 何でもかんでもさらけ出して生きているわけじゃありませんし、何でも直球をぶつけてくる人が「正直でいい人」とも限らないと思うのです。


子どもは、大人の「裏表」が非常に気になるようです。
なかでも、お母さん・お父さんが家でお子さんに対する態度と、外で先生や他の大人と接するときの態度が違うことに違和感を持つようです。

そんなの大人の世界では当たり前ですし、そういう使い分けが出来ない人間はどうかと思いますが、子どもは「普段のお父さん・お母さんと違う」と思うようで、そこから「大人はキモい」と思うこともあるようです。

ところが、社会性を身につけていくと、他人に対する態度と身内に対する態度が違うことも分かってきます。本音や建前の使い分けも出来るようになってくるでしょうし、外ではきちんとしないといけないことも分かってきます。まさに「社会性」ですね。

しかし、時々、大人の中にも、直球を投げてくる方がいます。
「正直なんで…」「こういう性格なんで…」という言い訳をされる方も多いですし、そういう方を良く思う方は、「裏表のない人なんです…」とか、「根はいい人なんだよね…」などとおっしゃいますが、私はどうもこの「直球剛速球ストレート」しか投げて来ない方が苦手です。ボールを受け取る相手のことを考えていないんでしょうね。ガンガン投げ込んでくれば、手は痛いし、怖いし、緊張もします。逆に、すぐに球筋を読まれて打ち返されてしまいますから、実は防御も弱い(笑)子どもすぎるなぁ…と思ってしまいます。


大人は、相手のことを考えて、取りやすい球を投げてくるものですし、スローで投げたり、ときに変化球を投げたり、とにかく飽きないボールを投げてきます。ですから、時には球筋が読めずに「何が来るんだろう?」とドキドキもしますが、だいたい「長持ち」する人間関係を築けるのはコチラなんじゃないかと思うのです。

「あいつ、ホント相変わらずだなぁ…」というのは、よほどの人徳がないと通用しない話のような気がします。

最もダメなんのは、相手と自分の立場の違いを利用して言いたい放題言ってみたり、普通だったら言えないようなことをぶつけてしまう人。よく飲食店などで、店員さんが言い返せないことをいいことに、偉そうな態度を取ってしまう人っていますよね。あれ、アメリカなどでやったらぶん殴られます(笑)店長出せ!オレは客だぞ!なんて喚こうものなら、「お前は客じゃない!」と放り出されるのが関の山(笑)日本人ってお客様は神様だと勘違いしている変な人もいるのですが、私はそんな人にはこう言ってやりたい。「そんな神様はいねーー!」と(笑) まったく三波春夫もビックリです。


さて。
冒頭の話に戻ると、例えばいつも元気にしている方、いつも明るい方、いつもパワフルでエネルギーをもらえるような存在である方が、それまでの人生や実生活の中でも同じ姿であるとは限らないだろうなぁと思うのです。例えば人を励ますような仕事をしている方、例えばコンサルタントとか、アドバイザーとか、カウンセラーとかでしょうか? そんな方に励まされて、アドバイスを受けて再起を図ったなんて方も世の中には多いはずなんですが、そういう方に思ったままをぶつけてしまう…なんてこともあるでしょう。もちろんそれがお仕事ですから、それでいいのかもしれませんが、受け取る方は相当大変です。


これがお仕事ならまだしも、たとえば実生活の中で、友人や知り合いに自分の思いをどんどんぶつけてしまう方も時々見かけます。私は何だか、見かけなのか職業柄なのか(笑)、そういう方に時々出会います。なるべく聞いてあげることが多いですし、お会いしたこともない方の相談や不満を投げかけられることもあります。あ、塾のご相談ではなくて、プライベートで。

もちろん、分かってあげられる時はそれでいいんですけど、分かってあげられないことも、アドバイス出来ないことも当然あります。そんな相談を受けていたある時、「あんたには分かんないわよね?」みたいな態度と取られたことがあります(笑)あからさまではなかったのですが… 

実は、その話。その方には詳しくは言いませんでしたが、私は悲しい悲しい「経験者」でありました。経験者ですとは、普通言わないようなことです。

でも経験しているから、その方の悲しみも、いやその方が経験していない、「その先の悲しみ」まで、私は知っていることでした。ですが、あまりシャレにもならないことだとしたら、他人には言わないですよね。そんな話、したところで相手にはご迷惑だろうし(笑)ですから、私の人生の中で話したことがあるのは本当に数人です。


人と接する時には、大上段に振りかぶって、実はそれが振り下ろせなくなってしまったり、もしくは無理やり振り下ろすことになったりすると大変なことにもなりますし、かえって人を傷つけてしまうことにもなりかねません。

だからこそ、丁寧に話すことが重要です。
私はどうもその辺が「言わなくていいや…」となる癖があるので、かえって誤解を招いたり、何も言ってくれないと言われたりすることもあるのですが、意外にいろんな経験をしているものです(もちろん、私の経験など未熟が招いた些細なことなのかもしれませんが…)

普段はすっとぼけたオッサンなのですが、人は見かけによらぬもの。
丁寧に生きたいものです。

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