漢字の音読み訓読みがよくわからないというご質問を頂きました。
この問題、確かにあるんですよね。特に漢字検定を受験するお子さん……というよりも保護者からから、よくこの質問が出てきます。
せっかくですからブログでお答えしたいと思います。ただし、正確に、というよりは、小学生に教えるのには…という観点から、ある程度ざっくりとしたお答えになるのでご了承下さい。
そもそも漢字は「漢」の字ですから、中国で出来たもの。外国製の文字なのですよね。輸入した文字ですから、日本語ではない部分があります。これは、
「普通こうでしょ?」
「これでも意味は分かるでしょ?」
というものではなく、純粋に知識です。成立から学んでおかないと正確には分かりません。
よく、「発音して意味がわかるものが訓読み、意味がわからないものが音読み」と教えるケースがあります。あながち間違いではありませんし、感覚的には7割くらい当たっているように思います。正確ではありませんが、7割でいいなら、また何となく正答数を増やしたいなら、そんな感覚的な覚え方でもいいのだと思いますが、このやり方だと、「どうしてそうなんだ?」と悩むケースが出てきます。
典型的な例は「本」という字。
現代人はつい「ほん」と発音すると思います。「BOOK」の意味で「ほん」と読み、意味がわかるので「訓読み」といいたくなるのですが、実はこれは「音読み」で、訓読みは「もと」です。中国語の発音として輸入されてきたものですから、中国ではBOOKのことを「本」と表し、輸入された段階で「ほん」という発音で入ってきたのかな?とは思いますが、四角四面に言えば「中国語だから覚えるしか無い」「知識として覚えるしか無い」ということになるのかと思います。
漢字を「見分け方」という形で覚えるのではなく(もちろん一定のルールはあり、会意文字などは同じ音読みになったりしますが…)、漢字学習のテキストを丁寧に眺め、一つ一つを「知識」として学んでいくのが正しいやり方なのかな?と思います。例題の部分や問題ばかりを学習せず、知識の部分・解説の部分を大事にして、一つ一つの漢字のなりたちやら付随する知識やらを身に着けていきましょう。よって、付け焼き刃で学習すると身につきませんし、パニックになるかもしれませんので(笑)、少しずつゆっくり、楽しみながら。
したがって、最終的には、
①漢検ステップ(漢字検定協会発行)の級別の学習を徹底する
②漢和辞典を引いて学習する
しか正解は無いのだと思います。
ただし、ざっくり整理をするために、意味が分かる・分からないという仕分けをしてしまうのであれば、それはそれで有効だとは思います。例外を楽しんでくださいね。
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