ちょっと真面目な話

だいたいいつもすっトボケたこと言っている塾長ですが(笑)、ちょっと今日は真面目な話を。

ここ最近、「発達障害の疑いあり」という子の話を数多く聞きます。以前もそういう子はいないことはありませんでしたし、そういう子を割と無防備に受け入れてきたのが桜学舎です。もっとも、私がメインで担当していたり、そういう子のケアをしたいというスタッフがいたりしたのも受け入れていた理由ですが、何より、「普通の対応しかしませんよ?」というお約束で来て頂いていました。

実は、そのうちの多くの子は大学まで進学しました。全てが有名大学とは行きませんが、それでも日東駒専くらいには合格して進学した子もいます。「発達障害って何だろな?」と思いながらも、確かに出来ないことがいくつかある子もいるなぁ…と見ていることもありました。

最近は、チョット何かあると「発達障害の疑いがあるので、検査してきてください」と言われるようで、台東区の子ならすぐに生涯学習センターに行って検査を受けて、6枚くらいの検査結果の紙をもらってきます。「結局、グレーでしょ?」と聞くと、「そうです」という返事が返ってきます。まぁ、みんなグレーなんですよね(笑)

私も最近自覚していることがありますから、皆何かしらの発達障害みたいなものを抱えて生きているのだと思います。しかし、それでも「学校」というシステムに乗っていくことがしんどい子も中にはいるわけで、成長がゆっくりな子にも寄り添えるシステムが必要なんだと思います。

この発達障害的なものがハッキリ出てくるのが、見ているとだいたい中2くらい。複雑で抽象的な学習内容に悪戦苦闘し始めるという姿を何度も見てきました。ここら辺で、「高校入試、どうしよう…」という悩みにぶち当たります。ご相談もかなりさせて頂いたことがあります。

東京都は、この部分がある意味他の地域よりも少し恵まれているというか、進んでいて、都立高校には、①「チャレンジスクール」という、不登校や何らかの事情で後れを取ってしまったこの再チャレンジ支援校や、②「エンカレッジスクール」という、学習やその他の活動に少し応援を必要とする子のための学校があります。やはり支援が必要かもな…と思う子にはこういう学校を勧めたこともあります。桜学舎の近くでは、六本木、桐ヶ丘、大江戸がチャレンジ、足立東がエンカレッジスクールです。 ところが、小学校の時に少しできないことがあって、支援学級にいるような子が、実は高校でこのエンカレッジスクールに進学出来ないことが多いのです。

小学校の時に支援学級にいたり、通級で行ったりすると、どうしても中学校進学の際に通級のある学校か、いわゆる固定級と言われる特別支援学級への進学を勧められます。もちろん普通学級に無理やり入るよりは、その子のペースに合った学習にしてあげたほうがいいし、一部の授業を通級で支援する程度ならいいのです。

しかしながら、この特別支援学級に一度入ってしまうと、高校受験が普通に出来ないのです。なぜかと言えば、特別支援学級では成績表が出ないからです。つまり、内申点が無いのです。これでは、都立高校の普通科にチャレンジすることが出来ません。エンカレッジスクールもチャレンジスクールも一応都立高校ですから、内申書が必要です。中学進学の際に流れで支援級に入ってしまった子は、この高校進学の際に非常に苦労します。

実は、この扉を無理やりこじ開けて、固定級からチャレンジスクールへ進学させたケースもありました。また、本人が塾と学校で頑張ると言って普通級に残って足立東に行ったケースもありました。でも苦しかった…

現在のシステムでは、小学校→中学→エンカレッジスクールへという接続が想定されていません。このルートだと、高等教育は特別支援学校になるケースがほとんどです。エンカレッジスクールは中学で上手くいかなくなった子の受け皿としては機能していますが、それ以前に支援が必要な子には対してはシステム的に接続しておらず、特別支援学校というレベルではない子が高校受験でチャレンジ出来るよう、改善が求められます。

さらには、東東京地区には足立東1校しかなく、実はなかなかの競争倍率になります。しかし、本当に多くのご相談を受けるので、需要は確実にあるのです。

さて。ここまでくると行政や政治的な問題になるので、その中枢にいる方々にお願いするしかありませんが、軽度に出来ないことがある子が、スムーズに中学・高校と適度な支援を受けながら学習をして行けるシステムを作ってもらえないでしょうかね。つまり、ライトな支援校というか、それがエンカレッジスクールであるならば、増設と、内申書の免除などをお願いしたいです。ライトな支援で普通教育を受けて来れるシステムが欲しいという親御さんの要望を叶えて欲しいと思います。私なら、これ1点に掛けて公約としたいくらいの話です。ということで、私に清き一票をお願い致します!(ウソです!)

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コメント

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  1. そんなことないですよ。うちの妹も特別支援学級でしたが妹の先輩はエンカレッジスクールに進学できましたし、内申点も付きました。よく調べてくださいな\(^o^)/。見たらわかりますよ!うちはまだ進路決まってないけど。

      • 亀山 卓郎
      • 2023年 8月 21日

      私のところでも、何とかエンカレッジやチャレンジに進学させたことがありますから、その点は存じております。が、ほとんどのケースで内申点は付けず、特別支援を進められるケースが多いのも、多くの方がおっしゃっているように事実だと思います。頑張って交渉したり、ウチの過去の生徒のように本人が塾で頑張ると言ったりして何とかするレアケースもありますが、私が問題だなと思っているのは、制度としての不備です。明らかに中学までは粘って普通級に行かせ、エンカレッジやチャレンジに行かせる方が楽であって、中学で固定級に入ってしまうと、その後が狭まるという点です。中学の支援学級と、高校のエンカレッジやチャレンジが直結していない点にツッコミを入れたいのです。

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