昔は教員の採用枠が小さすぎて大変でした。学校の先生になれなくて、仕方なく数年は塾で教えて繋ぐという人も結構いたけれど、まぁ正直使い物にはならないことが多かったですね。 大学の講師がコマ減らされてしまったので塾に来たということもあっのですが、これもまた全く使い物にならなかったなぁ。 民間企業だからね、塾は。

そういう人たちの共通点は、こちらの指導や研修に従わないことでした。やって欲しい仕事をしない代わりに、上から教育論を語ってみたり、こうあるべきだなんて御託を並べて反抗してくる方がいてビックリ。 私立ならいざ知らず、公立学校に「一定のクオリティ」は期待出来ないのかも…と悟ったあの頃。意外にも教育内容は教員丸投げなのですね。

考えたら、教科書も使わず自分の自分のプリントで授業する先生とか、板書だけで授業する先生もいました。国語で先生独自のノートの取り方をしろと言われたり（私は全然理解ができず何度も叱られた記憶があります）、ホントいろんな先生がいたなぁ。それを塾でやったら、ぶちゃけ怒られます。

さて、時代は変わり、今や、「誰か教員やってくれませんか？」という時代。しかし、教員が出来るレベルの学生が教員という職業を選ばなくなり、教育学部や教員養成系大学が下手をするとFランになりつつあるところも。そのレベルで教員になっても、進学校じゃ無理だろ？ってケースも多いようです。

ゆとり教育だの何だのと、長い長い年月をかけてしっかりと学力低下と愚民化を完成させて来た文科省。この国を衰退させる意図があったのではないかという陰謀論が出るのも致し方ないレベルでの学力低下。 教育が国力維持には不可欠という信念を捨てた結果が今のコレですね。

専売公社。 電電公社。 国鉄。 郵便。 国が抱えているものは次々と民営化され、最後に残されたのが教育だ、必ず民営化の時代が来ると、30年前にある社長が言ってたのが、いよいよ現実化する時代に差し掛かったかなと思います。 教育に対する意識の差が激し過ぎですね。

また、教育となると、すぐに学歴と偏差値に走るのもこの国の大人の悪いところ。 違うんだよなぁ。 イキイキと楽しく生きてる大人になるよう育てなきゃいけないと思うのですが…　子どもを幸せにするために学ばせ、学校に行かせる。幸せの多様化が果たされてるんだから、それぞれの受験や学びがあっていいはずなのです。

そんな中で、小学生から大卒まで見た教え子とその子の友達を大学生になってから面倒見ました。境遇や学校もほぼ同じだったのですが、私の教え子は立派に自立して昔からは考えられない職業に。友人は挫折し、人生に迷っています。 その差は、「私に叱られて来たか？」ということのように思います。親以外の大人に真剣に叱られ、諭され、時には泣いたこともありましたが、その違いは大きい。

今や先生すら叱らない時代。
他人が責任回避・リスクヘッジを第一に考えて他人に意見しない「愛の無い」時代。塾ですら子どもをお客様扱いし、何しても叱らない。辞められないように、売り上げ下がらないように。 「馬鹿野郎」「今すぐ辞めろ」なんて言う間抜けな塾長はココにしかいないのです（笑）

でも、私と本気で、本音でぶつかった子は、大人になってからホントに立派になっています。その自負も当然あるし、たかだか塾なのにこれだけ卒業生が連絡してきたり、集まったり、人生の節目にお呼ばれしたりすることも珍しいだろうと思います。 子どもとは打算なく付き合うことが大事なのでしょう。

教員が本来やるべき仕事を、自由な民間である我々がやっている。
先生たちは翼をもがれてしまったなぁとは思いますが、教員にいい人材を配置出来ないとこの国は終わってしまう気がしています。

「二月の勝者」のラストシーンで、「生徒が合いに来てくれる塾講師は最上級」とありました。そういう意味では、進学個別桜学舎の先生たちは最上級ですね。

学校も同じ。みんな、教員になってくれ！(笑)

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